小児期(2~10歳ころまで)に突然出現する、下肢の激しい痛みの俗称。思春期ころまで続くこともある。とくに夕方から夜間にかけておもに膝(しつ)関節の痛みを訴えるが、器質的にも機能的にもまた、X線所見でも異常は発見されないことが多く、原因は不明である。膝関節以外に大腿(だいたい)や下腿、股(こ)関節や足の踵(しょう)部(かかと)・甲部などの痛みを訴えることもある。成長期の一過性の痛みであるため、急激な体組織の成長のために生まれる痛みと説明されてきた。しかし成長だけでは説明がつかず、骨の急な成長で骨に付着する腱(けん)との結合部に生じる炎症、あるいは成長期小児の脆弱(ぜいじゃく)な骨端部軟骨組織への負荷により炎症が起こる骨端症が原因とも説明される。一方で、欲求が強い、あるいは神経質な小児の何らかの欲求が満たされないことを原因とする心因反応とみる向きもある。痛みの症状は翌朝にはまったく消失していることも多く、また小児の成長・発達によってもやがて消失する。対処方法としては、まずは安静を保ち、ストレッチやマッサージのほか、周囲が小児に精神的安らぎを与えるなどの配慮をすることとされる。
[編集部]
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