骨端症(読み)コッタンショウ

デジタル大辞泉 「骨端症」の意味・読み・例文・類語

こったん‐しょう〔‐シヤウ〕【骨端症】

成長期にある骨端部が壊死えしを起こす病気総称。手の月状骨キーンベック病大腿だいたいペルテス病脛骨けいこつオスグットシュラッテル病などがある。

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家庭医学館 「骨端症」の解説

こったんしょう【骨端症】

 子どもの骨の端(骨端(こったん))は、やわらかい軟骨で、その真ん中に骨化核(こつかかく)という、骨をつくるセンターがあります。
 成長とともに、この骨端で、軟骨が外側に向かってかたい骨に変化していきます。
 なんらかの理由で、この部分血液循環が悪くなり、骨端核を含めて組織が腐っていく(壊死(えし)する)病気を、骨端症といいます。
 原因としては、外傷、生まれつきの素因内分泌(ないぶんぴつ)ホルモンの異常などが考えられています。
 腕や脚(あし)の長い骨(長管骨(ちょうかんこつ))の骨端には、からだを動かすときに、主として押しつけられる力(圧迫力)がはたらきます。
 その圧迫力が悪影響をおよぼしておこる骨端症としては、大腿骨の骨頭にみられるペルテス病(「ペルテス病」)と、足の第2中足骨(だいにちゅうそくこつ)の骨頭にみられる第2ケーラー病(「第1ケーラー病/第2ケーラー病」)、短骨である舟状骨(しゅうじょうこつ)にみられる第1ケーラー病(「第1ケーラー病/第2ケーラー病」)があります。
 一方、大きな筋肉が骨についている部分には、その筋肉がはたらくときに、牽引力けんいんりょく)が作用します。
 その牽引力の影響でおこる骨端症には、膝(ひざ)を伸ばす大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の付着部の脛骨粗面けいこつそめん)におこるオスグッド・シュラッター病(「オスグッド・シュラッター病」)、アキレス腱(けん)の付着部におこる踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)(「踵骨骨端炎」)があります。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「骨端症」の意味・わかりやすい解説

骨端症
こったんしょう
apophysitis

成長期に多く発生する骨軟骨変化を骨端症と総称する。血行障害による骨壊死(えし)に由来するものと考えられている。骨端症の各疾患は、その発見者名を付してよばれることが多い。大腿骨(だいたいこつ)骨頭におこるペルテス病と脛骨(けいこつ)結節におこるオスグッド‐シュラッテル病が代表的なものである。このほか、足では舟状骨の第1ケーラーKoehler病、第2中足骨骨頭の第2ケーラー病、踵骨(しょうこつ)の踵骨骨端炎があり、上肢では上腕骨小頭におこるパナーPanner病、手の月状骨のキーンベック病があり、また胸腰椎(つい)にみられるカルベCalvé扁平(へんぺい)椎などがあげられる。臨床症状としては、局所の疼痛(とうつう)、軽い炎症症状、関節の運動制限、筋萎縮(いしゅく)などがあげられ、ペルテス病では歩行障害(跛行(はこう))がみられる。

[永井 隆]

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