神道(しんとう)教団の一つ。第二次世界大戦前の神道十三派(教派神道)の一つ。長谷川角行(はせがわかくぎょう)を開祖とする。富士信仰を中心とする山岳信仰を基盤として、明治維新後に組織化されたもの。薩摩(さつま)(鹿児島県)出身の宍野半(ししのなかば)が1873年(明治6)に結成した富士一山講社が、1875年に神道事務局所属の扶桑教会、ついで1882年に扶桑教として一派独立。当初は丸山(まるやま)教を傘下教会に有していたため大きな教団であったが、1885年丸山教の脱退後、勢力はかなり縮小した。1884年に宍野半が没したのち、宍野健丸(たけまる)、健弌(たけいち)、健之(たけゆき)と、管長職は世襲されてきたが、1988年に杉山一太郎が5世管長に就任した。実際には富士信仰とかかわりのない教会も含まれており、教団としての統一性は乏しい。本部は東京都世田谷(せたがや)区松原。教会数124、布教所数8、教師数407、信者数3万5550(『宗教年鑑』平成26年版)。
[井上順孝]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…(1)山陽・近畿の先進的農村を基盤に創唱された黒住教,天理教,金光(こんこう)教。(2)江戸時代後期に発達した富士信仰と木曾御嶽信仰の講を再編成した実行教,扶桑教,御嶽(おんたけ)教。(3)おもに明治初年に組織された惟神(かんながら)の道に立つ禊(みそぎ)教,神理教,神習教,大成教,神道修成派,大社教,神道本局(のち神道大教),神宮教。…
… 江戸時代には,修験道の色彩を弱め,民間信仰の富士講が中心となり,富士講の一派が不二道(ふじどう)となって,倫理観の高い教理をうち出した。明治時代になって,富士講は教派神道十三派の神道扶桑(ふそう)教,実行教,さらに丸山教の三つの教団に分かれたが,現在もなお富士登拝の習俗はつづけられている。
[富士登拝の習俗]
富士登山の伝説では,役行者(えんのぎようじや)を最初とすることから,富士山に対する修験道の影響が深いことはたしかである。…
※「扶桑教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加