昨年末現在で全国に22団体。本拠地のある都道府県公安委員会が指定する。/(1)/暴力団の威力を利用した資金獲得活動/(2)/組織内の犯罪経歴保有者が一定割合以上/(3)/代表者の統制のもとに階層的に構成―の3要件が必要。指定暴力団に暴力的な要求行為があれば、各公安委が中止命令を出すことができる。要求行為や抗争を繰り返す場合はさらに「特定危険」や「特定抗争」に指定。特定危険に指定された暴力団の組員は、縄張りと見なす警戒区域内で不当要求をすれば中止命令なしで逮捕が可能。特定抗争では5人以上の組員が集まれば逮捕できる。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
集団的・常習的な暴力的不法行為を助長するおそれが大きいとして、暴力団対策法に基づき、都道府県公安委員会が指定する暴力団。1992年(平成4)3月の暴力団対策法施行で導入された。指定により暴力団対策法の規制対象となり、人の弱みにつけこんだ金品の要求、用心棒代(みかじめ料)や債権の不当取立てなどに対し、中止命令や再発防止命令を出すことができる。住民の暮らしを害するおそれがある場合には、組事務所の使用制限命令を出せる。令状なしで命令できるため、被害に迅速に対応できる。指定には(1)威圧的行動で生計維持・財産形成・事業遂行のために資金を得ている、(2)犯罪歴がある構成員(組員)が一定比率以上いる、(3)一次団体や組長の下、階層的に参加団体や構成員が構成されている、の3条件を満たす必要がある。官報公示で3年間の効力が発生する。
銃撃など凶器を用いた暴力行為を繰り返す指定暴力団は「特定危険指定暴力団等」に指定できる。特定危険指定暴力団が不法暴力行為を行った場合、中止命令なしで逮捕できる。
また、指定暴力団同士の対立抗争で殺人や重傷者が出ると、「特定抗争指定暴力団等」に指定できる。同指定により、全国の警察官が集中的に両暴力団を取り締まるだけでなく、警戒区域内の組事務所には出入りができなくなり、構成員がおおむね5人以上集まるだけで逮捕できるようになる。
なお、抗争に市民が巻き込まれた場合には、指定暴力団トップの使用者責任を問い(民法715条)、被害者への賠償責任を負わせることもできる。
2016年(平成28)4月時点で、全国に22の指定暴力団がある。おもな指定暴力団は山口組(本部兵庫県神戸市、構成員約5700人)、住吉会(東京都港区、約3200人)、稲川会(東京都港区、約2800人)、神戸山口組(兵庫県淡路(あわじ)市、約2700人)などで、指定暴力団の構成員数は2015年末時点で全暴力団構成員数の82.1%を占める。
[矢野 武 2016年9月16日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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