暴力団対策法で定める指定暴力団の一つ。2015年(平成27)8月に日本最大の指定暴力団、山口組から分裂してできた。本部事務所は兵庫県淡路(あわじ)市。2015年12月における勢力は、傘下組織23団体、構成員約2800人、準構成員が3400人である。全国36都道府県を勢力範囲とし、その規模は、山口組、住吉(すみよし)会(本部・東京)に次いで3番目となる。2015年に事実上、分裂状態に陥った山口組から、絶縁や破門の処分を受けた団体や構成員などを取り込みながら、勢力を拡大させた。初代組長は4代目山健(やまけん)組(兵庫県神戸市)組長の井上邦雄(1948― )。
近年、暴力団対策法をはじめとする暴力団排除を目的とした規制が強められ、暴力団は資金源に窮し、厳しい財政事情を抱えているとされる。山口組は、2005年に名古屋を基盤とする弘道(こうどう)会組長だった篠田建市(しのだけんいち)(1942― 。通称、司忍(つかさしのぶ))が6代目に就任すると、長く山口組の主流派を担ってきた山健組関係者などが、組織の人事などで冷遇され、不満を募らせていたという。また、山口組傘下の団体には本部への高額な上納金が要求されており、そのような組織内の不満が表面化して、2015年8月に分裂が起こったとみられる。このとき、山口組の主要73団体のうちの13団体が離脱し、山口組系で古参の山健組組長を新たな組長とする新団体として、神戸山口組が結成された。分裂後、山口組と神戸山口組の間では、名古屋市や岡山市で神戸山口組系の組織の幹部が射殺されるなど、対立抗争とみられる事件が発生している。
2016年4月に兵庫県公安委員会は、神戸山口組を指定暴力団とした。その後、警察庁では各縄張りにおいていっそう厳しい取締りや規制が可能になる、特定抗争指定暴力団への指定を視野に入れながら警戒している。
[編集部 2017年2月16日]
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