綿あるいはレーヨン織物(ときには糸)に麻のような硬い風合いを付与する加工法。加工効果をあげるため,麻繊維に形状の似たスラブ糸(粗糸をところどころに撚(よ)り込んだ糸)を用いることが多い。機械的加工法もあるが,化学的加工法によることが多い。ゼラチン,カゼイン,こんにゃく,ビスコースなどの糊剤で処理し,繊維間を膠着させると風合いが硬くなる。このとき,ゼラチン,カゼインはホルマリン,酢酸アルミニウムで,こんにゃくやビスコースはアルカリで固化させる。また,濃硫酸や冷苛性ソーダによって繊維表面の一部を溶解膠着させて擬麻加工効果をだすこともできる。濃硫酸処理によるものをオーガンジー加工organdy finishing,冷苛性ソーダ処理によるものをコールドマーセリゼーションcold mercerization(マーセリゼーション)という。また,縮合度の高い尿素ホルマリン樹脂などを用い,キュアリング(乾熱処理)によって繊維表面に樹脂を沈着させた場合にも擬麻加工効果が得られる。なお,擬麻加工と反対に軟らかくしなやかな風合いを得る加工法を柔軟加工といい,これに用いる高級アルコールなどの薬剤を柔軟加工剤という。
執筆者:坂本 宗仙
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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