昭和期の社会学者 東北大学名誉教授;元・日本社会学会会長;元・日本学術会議会員。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
社会学者。明治31年2月24日、台北(タイペイ)市に生まれる。1921年(大正10)東京帝国大学法学部政治学科卒業。日本学士院会員、東北大学名誉教授。吉野作造(よしのさくぞう)の薫陶を受け、政治学担当教授として関西(かんせい)学院大学に赴任し、社会学をも講じたことから社会学に関心を寄せるに至った。1926年東北帝国大学に移ったころから形式社会学に批判的立場をとり、「行為連関」を主要概念として設定し、「総合社会学」体系を樹立した。『社会学の基礎問題』(1939)、『社会本質論』(1942)が主著であるが、第二次世界大戦後は積極的にアメリカ社会学の批判的導入を図るとともに、民族、イデオロギー、地域などの研究にも功績を残した。日本社会学会、日本社会学史学会の会長を務めるなど、日本社会学界の元老として、その発展に多大の貢献をした。昭和59年8月20日死去。
[鈴木幸寿]
『『新明正道著作集』10巻・別巻1(1976~1993・誠信書房)』▽『大道安次郎著『新明社会学』(1974・恒星社厚生閣)』
社会学者。金沢に生まれ,東京帝国大学で吉野作造に師事して政治学を専攻し,新人会で活躍,卒業後は社会学研究に進み,当時主流であった形式社会学の克服をめざして《形式社会学論》(1928)を著し,人間行為の実質的内容と社会関係の形態とを統一的にとらえる行為関連の立場をとった新しい総合社会学を樹立した。一般社会学,歴史社会学,実践社会学の3部編成からなる理論構想は《社会学の基礎問題》(1939),《社会本質論》(1942),《綜合社会学の構想》(1968)で展開され,その後はパーソンズの社会体系論を批判した論説で示されている。
執筆者:森 博
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