(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「旁」の意味・読み・例文・類語

ぼう【旁】[漢字項目]

[音]ボウバウ)(呉) [訓]かたわら つくり かたがた
そば。かたわら。「旁若無人
漢字の組み立てで、右側部分。つくり。「偏旁冠脚
広く行き渡る。「旁引博引旁証
[補説]1は「」と通用する。

つくり【×旁】

漢字の構成部位の名称の一。左右の組み合わせからなる漢字の右側の部分。字形によって「刂(りっとう)」「彡(さんづくり)」などとよぶ。⇔

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精選版 日本国語大辞典 「旁」の意味・読み・例文・類語

つくり【旁】

  1. 〘 名詞 〙 漢字構成上の名称の一つ。左右組み合わせて成った漢字の右の部分。偏(へん)に添えて漢字を組み立てる一部分の称。「作」の「乍」、「清」の「青」、「秋」の「火」、「嫁」の「家」の部分。
    1. [初出の実例]「相の字をば篇に付ても作(ツクリ)に付ても、もくとこそ読べかりける」(出典太平記(14C後)一)

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普及版 字通 「旁」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
8画

[字音] ボウ(バウ)・ホウ(ハウ)
[字訓] あまねし・かたわら・かたよる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は方(ほう)。〔説文〕一上に「溥(ひろ)きなり」とし、字形について「二に從ふ。闕。方聲」という。重文三を録するが、本来の字形と思われるものがない。字はおそらく(凡)(はん)と方とに従い、は風の従うところで汎の意。方に四方、「方(あまね)し」の意がある。ゆえに旁及旁達の意となり、旁出・旁側の意となり、偏頗の意となる。傍はその限定義を示す字である。

[訓義]
1. あまねし、ゆきわたる、ひろい、おおきい。
2. かたわら、わき、わかれる。
3. かたよる、よる、そう。
4. 傍と通じ、ちかづく、たすける。

[古辞書の訓]
名義抄〕旁 カタカタ・オホキナリ・ヒコロ・ミチビク・ムラガル・ツタフ・ヒロシ・ホトリ・カタハラ・コレ・シタガフ・アマネシ 〔字鏡集〕旁 ワヅラフ・コレ・シタガフ・カタカタ・ヒコロ・ウスシ・ミチビク・オホキナリ・ムラガル・ツタフ・ヒロシ・ヒトヘニ・カタシ・ホトリ・アマネシ・カタハラ

[声系]
〔説文〕に旁声として・謗・膀・榜・傍・滂・など十二字を収める。・滂は旁達、膀・謗は側旁の意を承けるものであろう。旁声の字はおおむね旁の声義を承けるところがある。

[語系]
旁bangは普・溥pha、布pa、(敷)phiuaと声義に通ずるところがあり、ひろくゆきわたる意がある。また旁皇・傍bang-huangは、徘徊buihui、彷徨bang-huang、盤桓buan-huanと同じ語で、その状態をいう形況の語である。

[熟語]
旁愛・旁・旁引・旁縁・旁恩・旁開・旁貫・旁観旁騎・旁及・旁求・旁境・旁極・旁近・旁系・旁径・旁継旁睨・旁撃・旁決・旁・旁言・旁午旁忤・旁皇旁遑・旁光・旁行・旁国・旁坐・旁殺・旁妻・旁視・旁至・旁枝・旁施旁諮・旁侍・旁室・旁舎・旁射・旁若・旁集旁聚旁緝・旁出・旁証旁招・旁矚・旁進・旁親・旁人・旁訊・旁済・旁説・旁・旁瞻・旁捜・旁宗・旁綜・旁側・旁仄・旁属・旁・旁達・旁眺・旁通・旁転・旁覩・旁唐・旁・旁排・旁・旁薄・旁・旁魄・旁畔・旁婦・旁辺・旁旁・旁民・旁流・旁隣
[下接語]
海旁・岐旁・四旁・旁・偏旁・両旁・路旁

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