デジタル大辞泉 「傍若無人」の意味・読み・例文・類語 ぼうじゃく‐ぶじん〔バウジヤク‐〕【傍若無人/×旁若無人】 [名・形動]《「史記」刺客伝から。「傍かたわらに人無きが若ごとし」の意》人のことなどまるで気にかけず、自分勝手に振る舞うこと。また、そのさま。「―な態度に腹が立つ」[類語]野放図・勝手・わがまま・横着・身勝手・得手勝手・手前勝手・自己本位・好き放題・好き勝手・気随・気まま・ほしいまま・恣意的しいてき・利己的・エゴイスチック・好き・自分勝手・気任せ・奔放・自由・尊大・横柄・傲然・高慢・傲慢・驕慢・倨傲・大風おおふう・高姿勢・高飛車・高圧的・居丈高・権柄尽く・偉そう・口幅ったい・僭越・越権・不遜・態度が大きい・我が物顔・空威張り・野太い・図太い・太い・豪胆・厚かましい・図図しい・ふてぶてしい・おこがましい・えげつない・いけ図図しい・猛猛しい・虫がいい・厚顔・厚顔無恥・鉄面皮・破廉恥・面の皮が厚い・心臓が強い・心臓に毛が生えている・恥知らず・人を人とも思わない・眼中人無し・聞く耳を持たない・横紙破り・ふんぞり返る・自己中 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「傍若無人」の意味・読み・例文・類語 ぼうじゃく‐ぶじんバウ‥【傍若無人・旁若無人】 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「傍(かたわら)に人無きが若(ごと)し」の意 ) 人前をはばからず勝手気ままな言動をすること。また、そのさま。傍若。ぼうじゃくむじん。[初出の実例]「此人容体頗勝人、心性誠叶時、上皇被仰合万事、仍天下之権威傍若無人也」(出典:中右記‐保安元年(1120)七月二二日)「傍若無人(バウジャクブジン)の振舞せられたるも理り哉」(出典:太平記(14C後)一〇)[その他の文献]〔史記‐刺客伝・荊軻〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
四字熟語を知る辞典 「傍若無人」の解説 傍若無人 人前をはばからず勝手気ままな言動をすること。 [活用] ―な・―に。 [使用例] 卑ひ弥み子こはなにも聞かなかったようにしばらく黙っていた。それから欲求不満の女子大生みたいに傍若無人に醜みにくい高笑いをした[大江健三郎*日常生活の冒険|1964] [使用例] 夕陽にかがやいた山門の背後にさして大きくない寺が見える。うしろは、崖がけの茶色の切りたった山につづいている。庫く裏りはうす暗く、ひんやりとして板の間には二、三羽の鶏が傍若無人に歩きまわっていた[遠藤周作*沈黙|1966] [使用例] 十分近くも待たせたので、よほど重要な用件かと思えば、絵葉書をとり出して来て、うれしそうに眺めている。不届きな男、うわさ以上に傍若無人なやつだと思った[城山三郎*官僚たちの夏|1974] [解説] 「傍かたわらに人無きが若ごとし」と読みます。「史記」に記された中国・戦国時代の刺し客きゃく、荊けい軻かの話に出てきます。 刺客というのは暗殺を請け負う人物ですが、荊軻は書を好み、社交的でもありました。仲間たちと街で飲んでは、楽器を弾き、歌って楽しむ日常でした。 酔いが回ると、仲間とともに大声で泣き、「旁かたわららに人無き者の若し」だったと言います。ここでは「旁」の字が使われていますが、「傍」と同じです。 この荊軻が、後に秦しん王を殺そうとして失敗するまでが、「史記」には活劇ふうに描かれています。 「傍若無人」の現代語での使い方を見ると、いささか幅があります。電車の中で、周囲に乗客がいないかのように騒ぐ場合に使うのは、典型的な用法です。一方、「横おう柄へい、無礼」に近い意味でも使います。「息子が父親に対して傍若無人にふるまう」といった使い方です。「人を人とも思わない」に近いようです。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報 Sponserd by