偏/片秀(読み)カタホ

デジタル大辞泉の解説

かた‐ほ【偏/片秀】

[形動ナリ]
完全に整っていないさま。未熟。不十分。⇔真秀(まほ)
「御心ばへ、人柄どもさへ、いささか―にて」〈大鏡・道長上〉
容貌(ようぼう)が醜いさま。不器量。
「―にものし給はむ人の、居丈高に髪少なにて」〈栄花根合

へん【偏】

漢字の構成部位の名称の一。左右の組み合わせからなる漢字の左側の部分。字形によって「亻(にんべん)」「氵(さんずい)」などと呼ぶ。⇔旁(つくり)
かたよっていること。公正でないこと。
「用捨―無し、弛張(ちちゃう)時あり、明王の士を撰ぶ徳なり」〈太平記・一九〉

へん【偏】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヘン(呉)(漢) [訓]かたよる ひとえに
本筋や中心からそれている。かたよる。「偏屈偏見偏向偏差偏在偏食偏重偏頗(へんぱ)不偏
(「褊(へん)」と通用)土地や度量が狭い。「偏狭
漢字の組み立てで、左側の部分。「偏旁(へんぼう)人偏(にんべん)
[名のり]つら・とも・ゆき

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大辞林 第三版の解説

へん【偏】

漢字の構成部分の名称。「他」の「⺅」、「村」の「木」など、字の左側につくもの。 ⇔ つくり

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

かた‐ず・む【偏】

[1] 〘自マ四〙 一つのところ、また一方へかたよる。せまくなる。かたずる
※玉塵抄(1563)一九「太子東宮にかたずみていらしむわ潜龍泥蟠の位ぞ」
[2] 〘他マ下二〙 一方に寄せる。かたよせる。
天馬異聞(1637‐38)「急に大勢顕れ出で、手込手込に片つめて、何の苦もなく殺却す」
[補注]「ずむ」のかなづかい未詳。「俚言集覧」には「偏づむ ツムは詞也カタツマル也マルの反ムなり」とあり、「詰む」と考えているが「黒ずむ」などと同様の「ずむ」とも見られる。

こず・む こづむ【偏】

〘自マ四〙
① 馬がつまずいてころびかける。馬が倒れる。→かいこずむ
名語記(1275)八「馬のしりさまにつつゐるをこつむといへり如何」
② 一か所にかたよって集まる。ぎっしりつまる。〔名語記(1275)〕
俳諧・玉海集追加(1667)付句下「露置し屋根にや縄を張ぬらん こつめる町は物ほしもなし〈貞室〉」
③ 筋肉が凝(こ)る。
④ 心が重くなる。気が沈む。
春泥(1928)〈久保田万太郎夕焼雲「墓まゐりって奴は〈略〉一人や二人だとわるく料簡がこずんでいけねえ」
[補注](1)各分肢の意味用法から、同語源と判断しかねるものもあり判然としない。
(2)古くは清音「こつむ」であった可能性も強い。

こつ・む【偏】

〘自マ四〙 ⇒こずむ(偏)

へん【偏】

〘名〙
① (形動) かたよっていること。中正でないこと。また、そのさま。
※貞享版沙石集(1283)八「雑行の行人の心ざまに似たり。いづれも偏也」
※太平記(14C後)一九「用捨(ヘン)無し、弛張時有り、明王の士を撰ぶ徳也」 〔書経‐洪範〕
② 漢字の字体構成上の名称の一つ。左右組み合わせて成った漢字の左の部分。意味上の目印となる形が多く、それぞれ「にんべん」「きへん」「うおへん」などの名がある。右にあって「とりへん」という類もある。
※名語記(1275)九「篇に、氵、かくかけるを、さむずい」 〔蘇軾‐石鼓詩〕

へん‐・す【偏】

〘自サ変〙 ⇒へんする(偏)

へん‐・する【偏】

〘自サ変〙 へん・す 〘自サ変〙 かたよる。一方に寄る。公平、平等でなくなる。
養生訓(1713)一「陋儒は理に偏して気を養はず」

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