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日朝関係 にっちょうかんけい

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知恵蔵2015の解説

日朝関係

5年間の小泉外交の目玉であった対北朝鮮外交は破綻に終わったといえよう。2002年9月17日小泉純一郎首相は平壌を訪問、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長と会談した。この会談直前に日本側に明らかにされた拉致事件の調査報告で、拉致被害者のうち8人の死亡、5人の生存が判明。金国防委員長は会談冒頭で、特殊機関の一部の行動と認め謝罪した。会談では北朝鮮における核開発、ミサイル、工作船、日本の植民地支配と補償、などが話し合われた。会談後調印された日朝平壌宣言には、(1)日本は過去の植民地支配で多大な損害と苦痛を与えたことに対し反省とおわびの気持ちを表明したこと、(2)国交正常化後、無償・有償などの経済協力を行うこと、(3)「日本国民の生命と安全にかかわる」問題が再び生ずることのないよう適切な措置をとること、(4)朝鮮半島の核問題の解決のため国際的合意を順守し、ミサイル発射実験の凍結を03年以降も延長すること、(5)正常化交渉の10月再開、などが盛り込まれた。10月中旬拉致被害者5人は帰国し、日本永住を表明し故郷で暮らしている。その後北朝鮮の核問題と拉致問題が懸案となったが、関係は進展をみせず、04年5月22日小泉首相は再び平壌を訪問した。首脳会談で小泉首相は、国際機関を通しての25万tの食糧援助1000万ドル相当の医薬品支援を表明し、拉致被害者の家族5人と帰国した。その後、5月の首相訪朝時には実現しなかった、拉致被害者の曽我ひとみさんの家族の帰国問題が浮上し、7月中旬夫のジェンキンス氏ら家族3人が帰国した。他方、拉致問題等で国内世論は硬化し、04年2月9日北朝鮮に独自に経済制裁を科すことができる改正外為法が成立し、6月14日には万景峰号などの北朝鮮船舶の日本入港を禁止することができる特定船舶入港禁止特措法が成立した。また、9月の実務者協議ではその他の拉致被害者の問題は進展せず、11月に返還された横田めぐみさんの遺骨は、日本国内で行ったDNA鑑定の結果、別人とされた。05年2月11日北朝鮮が核保有を宣言するなかで、焦点は6者協議に移り、7月26日1年1カ月ぶりに再開されたが、同年11月以降、休会している。拉致問題の行き詰まり、6者協議の停滞のなか、06年7月の北朝鮮によるミサイル発射も加わり、関係打開の道は閉ざされたままである。

(高橋進 東京大学大学院法学政治学研究科教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日朝関係
にっちょうかんけい

日本と北朝鮮との関係。第二次世界大戦終結前後の複雑な国際情勢のもと、朝鮮半島は北緯38度線を境として南北に分断され、1948年9月北側に北朝鮮が成立した。一般に「日朝関係」は、この北朝鮮と日本との、北朝鮮成立以来現在に至る関係を意味する。日本は1948年(昭和23)8月南側に成立した韓国(大韓民国)との関係を深めてきたが、北朝鮮とは2004年7月現在まで国交を結ぶに至っていない。しかし、当局者間の会談や政党の訪問、民間交流などを通じて、一定の関係は築かれてきた。また、2002年(平成14)9月、小泉純一郎が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問、北朝鮮の最高指導者である総書記金正日(きんしょうにち/キムジョンイル)との日朝首脳会談が行われた。両首脳は日朝の国交正常化交渉を進めることなどを内容とする日朝平壌(ピョンヤン)宣言に署名した。同時に日本人拉致事件(らちじけん)について、北朝鮮によって拉致された日本人の生死に関する情報が提示されている。2002年10月には事件被害者のうち5人が日本への帰国を果たした。2004年5月、小泉はふたたび訪朝、金正日と会談を行い、日朝双方が日朝平壌宣言を履行することなどを確認、このとき拉致被害者の家族8人のうちの5人の日本帰国が実現し、同年7月残りの3人も帰国・来日した。この関係については「日本と朝鮮半島との関係(第二次世界大戦後)」の項目で詳述するので同項目を参照されたい。
 なお、「日朝関係」ということばは、古代から現代に至る日本と朝鮮との関係をも意味する。この意味の「日朝関係」のうち、古代から日本の明治時代に至るまでは「日朝交渉史」の項目を、また、1910年(明治43)の日本による「韓国併合」から第二次世界大戦の日本の敗戦による朝鮮解放・独立までは「朝鮮史」の項目を参照されたい。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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