政治家。東京生まれ。衆議院議長鳩山和夫(かずお)の長男。1907年(明治40)東京帝国大学英法科卒業後、弁護士。東京市会議員から1915年(大正4)衆議院議員、立憲政友会に属した。1927年(昭和2)幹事長を経て田中義一内閣書記官長。1931年犬養毅(いぬかいつよし)、1932年斎藤実(さいとうまこと)両内閣の文部大臣となり、1933年大学の自治・学問の自由を侵害した京大滝川事件を引き起こした。1942年の翼賛選挙では非推薦で当選。第二次世界大戦敗戦後の1945年(昭和20)10月日本自由党を創立し総裁に就任。1946年組閣直前に公職追放され後継者として吉田茂に総裁を譲った。1951年自由党に復帰し、鳩山派を形成して吉田と激しく指導権を争った。1953年3月分党派自由党を結成。1954年改進党との合同によって日本民主党を結成し総裁に就任。同年12月吉田内閣退陣後、念願の内閣を組織し、憲法改正・再軍備および対ソ連・中国との国交回復など反吉田路線を推進した。
1955年11月自由党との保守合同をなし自由民主党を結成し、翌1956年4月初代総裁に就任。同年5月日ソ漁業条約を締結し、10月自ら訪ソして日ソ共同宣言に調印した。ソ連との国交回復を果たし、また12月に国連加盟を達成したのを機会に引退した。生粋(きっすい)の政党人として衆議院当選15回(東京1区)の最長老議員であった。
[荒 敬]
息子の威一郎(いいちろう)、孫の由紀夫、邦夫も政治家となり、由紀夫は首相を務めた。
[編集部]
『鳩山一郎著『私の自叙伝』(1951・改造社)』▽『鳩山一郎著『鳩山一郎回顧録』(1957・文芸春秋新社)』▽『伊藤隆、季武嘉也編『鳩山一郎・薫日記』上下(1999、2005・中央公論新社)』▽『宮崎吉政著、細川隆元監修『日本宰相列伝19 鳩山一郎』(1985・時事通信社)』▽『豊田穣著『英才の家系――鳩山一郎と鳩山家の人々』(1996・講談社)』
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大正・昭和期の政治家。東京出身。父和夫は衆議院議長,母春子は共立女子職業学校(現,共立女子大)創設者。1907年東京帝国大学英法科卒業。15年代議士に当選し,一時政友本党に入党したほかは立憲政友会に属す。田中義一内閣書記官長,犬養毅・斎藤実両内閣の文相を歴任,滝川事件を引き起こした。39年の政友会分裂には久原房之助派に属し,41年斎藤隆夫懲罰問題を機に同交会を結成,翼賛選挙には非推薦で当選,反軍政治家の一人となる。戦後ただちに日本自由党を結成,総裁となったが,組閣寸前,占領軍の覚書追放で政界を追われ,後事を吉田茂に託した。
51年追放解除されるや自由党に復帰,翌年代議士に当選し吉田に政権返上を迫ったが失敗,三木武吉,河野一郎らと組んで吉田と対決,54年日本民主党総裁となり,3次にわたり組閣した。吉田と違い,明るい庶民的態度,日ソ国交回復政策等でブームを現出した。55年の保守合同では総裁代行委員の一人となり,56年4月初代自民党総裁に就任,改憲を目ざしたが参議院で3分の2の壁を破れず挫折,同年10月の日ソ国交回復を花道に12月引退した。
執筆者:神田 文人
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大正・昭和期の政治家 首相;自民党初代総裁;衆院議員。
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1883.1.1~1959.3.7
大正・昭和期の代表的政党政治家。東京都出身。両親(和夫と春子)は明治期の政・官界および女子教育界で幅広く活躍した。東大卒。一時父の法律事務所で弁護士の仕事をし,東京市会議員から衆議院議員へと進み,立憲政友会で地歩を築く。田中義一内閣の書記官長,犬養毅(つよし)・斎藤実(まこと)両内閣の文相などを歴任,在任中に滝川事件がおきた。太平洋戦争中は大政翼賛会に批判的な立場を堅持した。戦後は日本自由党創立の中心となるが,GHQの公職追放によりしばらく政界の第一線から退く。1951年(昭和26)追放解除後は反吉田陣営の中心となり,54年から日本民主党・自民党の総裁として内閣を組織。日ソ交渉を手がけ,56年日ソ共同宣言に調印,国交を回復させた。同年退陣。
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