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日朝平壌宣言 にっちょうぴょんやんせんげん

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知恵蔵2015の解説

日朝平壌宣言

2002年9月17日、日帰り北朝鮮を初訪問した日本の小泉純一郎首相と、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(党総書記)との間で行われた日朝首脳会談後に署名された共同宣言。日本側が過去の植民地支配に対し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明、過去の清算では互いに請求権を放棄し、代わりに、国交正常化後の無償資金を始めとする幅広い経済協力を実施する旨を約束した。この方式は、基本的には1965年の日韓の国交正常化を踏襲している。だが、会談の際に北朝鮮側が示した日本人拉致被害者の「5人生存、8人死亡」という伝達に対し、日本の世論は北朝鮮非難一色に染まった。北朝鮮側は、宣言の中で、核問題に関し「関連するすべての国際的合意の遵守」を確認し、ミサイル発射のモラトリアムを03年以降もさらに延長していく意向をも表明、国際的公約として注目された。しかし宣言直後の02年10月、米国は北朝鮮に対し、高濃縮ウラン(HEU)生産計画の疑惑を指摘し、北朝鮮は逆に12月には国際原子力機関(IAEA)の査察官を国外へ追放、寧辺(ニョンビョン)の核施設を再稼働、03年1月には核不拡散条約(NPT)からの脱退を表明。宣言はまだ実践の過程に進んでいない。

(2008年)

日朝平壌宣言

日朝関係」のページをご覧ください。

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

にっちょう‐ピョンヤンせんげん〔ニツテウ‐〕【日朝平壌宣言】

平壌宣言

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日朝平壌宣言
にっちょうピョンヤンせんげん

2002年9月 17日,日本と朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮) の首脳会談で合意した内容をまとめた文書。小泉純一郎首相が日本の現役首相としては初めて北朝鮮を訪問し,キム・ジョンイル (金正日) 国防委員長と会談のうえ,両者により署名,発表された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日朝平壌宣言
にっちょうぴょんやんせんげん

日本の首相、小泉純一郎が2002年(平成14)9月17日に北朝鮮を訪問し、平壌で北朝鮮の最高指導者である国防委員会委員長金正日(きんしょうにち/キムジョンイル)と会談した際に合意内容をまとめた文書。同年10月中に、1992年より中断していた国交正常化交渉を再開し、国交正常化を早期に実現させることを明記した。過去の清算を強調したのが特徴で、日本側が過去の植民地支配を謝罪したうえで、国交正常化後に日本が経済協力を行うとした。日本人の拉致(らち)事件については、首脳会談で金正日が示した謝罪は明記されず、北朝鮮側が「遺憾な問題がふたたび生じることがないよう適切な措置をとる」と言及するにとどまった。北朝鮮の核・ミサイル問題については、核開発問題解決のため北朝鮮が国際的合意を順守することや、ミサイル発射凍結を2003年以降も延長することを確認した。しかし、核開発問題については、北朝鮮が2003年1月に核不拡散条約(NPT)脱退宣言を表明、核施設を再稼動するなど、日朝平壌宣言を無視する行為を続けた。このため、北朝鮮側が宣言に署名した意図が経済協力目当てで、核・ミサイルの合意を守るつもりはなかったのではないかとの批判が日本側に強まった。日本人拉致事件についても、北朝鮮に拉致された被害者のうち、5人の帰国が実現したものの、被害者家族の帰国は実現しなかった。このような状況のなか、2004年5月、小泉が再度訪朝、金正日との会談において、(1)日朝双方は日朝平壌宣言を履行する、(2)日本は北朝鮮が日朝平壌宣言を順守する限り経済制裁措置の発動はしない、(3)日本は国際機関を通じて、1~2か月以内に北朝鮮に対して食糧、医薬品などの人道支援を行う、(4)双方は核問題の平和的な解決を目ざし、日本、北朝鮮、韓国、中国、アメリカ、ロシアによる六者協議(六か国協議)の進展のために努力する、などで合意した。このとき、拉致被害者の家族8人のうちの5人の日本帰国が実現した。また、死亡したとされている10人の拉致被害者については再調査を行うこととなった、との政府による説明がなされた。なお、同2004年7月には拉致被害者の家族の残り3人が帰国・来日している。[水野雅之]
『日朝国交促進国民協会編・刊『どうなる日朝国交交渉』(2003) ▽姜尚中・水野直樹・李鍾元編『日朝交渉 課題と展望』(2003・岩波書店)』

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