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日本改造法案大綱 にほんかいぞうほうあんたいこう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本改造法案大綱
にほんかいぞうほうあんたいこう

北一輝著。 1921年刊。中国の排日活動のさなか,上海で日本の対支政策を憂慮しつつ,執筆されたものである。北はこれを「日本民族社会革命論なり」と称し,「国民の天皇」「私有財産制限」「土地処分」「大資本の国有化」「労働者の権利」など8項目から成る国家社会主義的改造計画を説いている。

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百科事典マイペディアの解説

日本改造法案大綱【にほんかいぞうほうあんたいこう】

北一輝が1919年上海で執筆した著作。日本の国際的孤立,国内の階級対立激化を打開するための国家改造を述べる。3年間の憲法停止,戒厳令施行,私有財産の制限,在郷軍人を基礎とする改造内閣の組閣,華族制・貴族院の廃止などを構想。
→関連項目猶存社

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世界大百科事典 第2版の解説

にほんかいぞうほうあんたいこう【日本改造法案大綱】

北一輝の著作。北が1919年(大正8)8月に上海において書きあげ謄写版で印刷して配布した〈《国家改造案原理大綱》〉が内務省により発売頒布を禁止され,23年に改造社より〈《日本改造法案大綱》〉の題名で削除と伏字だらけで刊行され,26年に西田税の手により再刊され,28年(昭和3)には同じく西田の手で削除と伏字を復活させた版が刊行された。改革された在郷軍人会を実行主体とし,天皇大権を発動してクーデタを行うというこの〈改造法案〉は,西田税を媒介にして主として陸軍青年将校の支持を得て,二・二六事件を招来したことは有名である。

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大辞林 第三版の解説

にほんかいぞうほうあんたいこう【日本改造法案大綱】

国家主義の理論書。北一輝著。1919年(大正8)上海で執筆、23年加筆修正の上刊行。日本ファシズムの聖典で、軍部・右翼に大きな影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日本改造法案大綱
にほんかいぞうほうあんたいこう

1919年(大正8)8月、北一輝(きたいっき)が書いた綱領的著作。昭和初期の国家主義運動に巨大な影響を与えた。内容的に、〔1〕天皇大権によるクーデターと国家機関の破壊、〔2〕新しい統治機構の組織と国家社会主義的政策の提起、〔3〕広大な地域を支配する大帝国の建設、の三つの部分に分かれる。枢密院・貴族院・華族制の廃止、天皇財産の国有化、私有財産・私有地の制限と超過分の国有化など一見すると急進的な主張があるが、普通選挙権から婦人を除外、小作の存在を「神意」とするなど、ヨーロッパ・ファシズムのスローガンと比較すると後れた思想もみられる。しかし、領土の少ない国は多い国を侵略する権利があるとし、シベリアから東南アジア、オーストラリアに至る大帝国をつくるプログラムは、ヒトラー顔負けの強盗的論理といえる。最初は「国家改造案原理大綱」のタイトルで頒布されたが、出版法違反で発禁となり、以後北から版権を譲られた西田税(みつぎ)が、伏せ字だらけの発刊をする一方、伏せ字を埋めたパンフレット版を青年将校に配布するなどして、日本右翼運動最高の教典となった。[大野達三]
『『北一輝著作集 2、3巻』(1972・みすず書房)』

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世界大百科事典内の日本改造法案大綱の言及

【右翼】より

…18年の米騒動を契機に,国内では各種の社会運動が高揚し,第1次世界大戦後には中国や朝鮮で反日民族独立運動がおこり,ベルサイユ・ワシントン体制のもとで日本が孤立化するという状況があらわれると,危機感を強めた右翼のなかから〈国家改造〉を主張する新しいファッショ的な思想と運動が台頭してきた。その指標となったのが,19年に書かれた北一輝の《国家改造案原理大綱》(1923年に《日本改造法案大綱》と改題して出版)と同年北,大川周明,満川亀太郎らによる猶存社の結成であった。これ以後多くのファッショ団体が結成され,天皇中心主義による〈国家改造〉(〈昭和維新〉の断行),農本主義と家族主義,反ソ反共,反民主主義,反自由主義,反財閥,ベルサイユ・ワシントン体制打破,大アジア主義による大陸進出などの主張をかかげて活発な運動を展開した。…

【北一輝】より

…13年退去命令により帰国,《支那革命外史》を著し,16年ふたたび中国に渡ったが,五・四運動に直面して,19年上海で《国家改造案原理大綱》を執筆した。これは,天皇大権の発動によりクーデタをおこない,一連の国家改造を実施し,海外膨張を達成しようという構想を述べたもので,のち《日本改造法案大綱》(1923)と改題され,国家主義運動の教典となった。20年帰国,大川周明の猶存社に参加し,宮中某重大事件などで活動した。…

【ファシズム】より

…また,多くの場合,世界史は〈人種間闘争〉の場と解され,とくにナチズムにおいては,〈ユダヤ支配の除去〉が自己の使命とされた(アンチ・セミティズム)。こうしたファシズムの思想は,ヒトラーの《わが闘争》(1924)のなかに全面的に展開されているが,日本においても北一輝の《日本改造法案大綱》ほか一連の著作にそれに見合う内容がみられる。
[支配体制]
 上述のように,ファシズムの運動は,世界恐慌を背景として,イギリス,フランスなど当時の先進資本主義国家においても発生している。…

【猶存社】より

…前年来の老壮会の活動にあきたらなくなっていた満川亀太郎が,より実践的な活動をめざして設立を首唱した。1919年理論的指導者とするため北一輝を呼びよせるよう満川に依頼されて上海に赴いた大川周明が北の《国家改造案原理大綱》(のち《日本改造法案大綱》と改題)をもち帰ると,ただちにそれを刊行したのを皮切りに,翌年北の帰国後,機関誌《雄叫》の発行,〈革命日本の建設,日本国民の合理的組織,民族解放運動,道義的対外策の遂行〉など7綱領の制定など,組織としての内実を整えていった。この間,鹿子木員信,安岡正篤,笠木良明らが同人となった。…

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