日本製粉(読み)にっぽんせいふん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本製粉」の意味・わかりやすい解説

日本製粉(株)
にっぽんせいふん

国内第2位の製粉会社。1896年(明治29)日本最初の欧米式機械製粉設備をもつ近代的製粉会社として設立された。明治末から各地に工場を新設、また地方製粉会社を合併して全国的生産体制を整備し、昭和初期の不況に対処するため1927年(昭和2)に三井物産と製品一手販売契約を結んだ。第二次世界大戦後は1955年(昭和30)に日粉食糧(株)、61年にニップン飼料(株)を設立してマカロニスパゲッティや飼料分野のほか、外食エンジニアリングにも進出して多角化。製粉工場でもミルのニューマチック化を進め、さらに1974年に神戸(1995年阪神・淡路大震災で一時閉鎖したが復興)、78年千葉に当時最新鋭の臨海工場を完成させた。その後も工場竣工が続き、2008年(平成20)3月の時点で国内12工場、研究所・技術センター5、資本金122億円、売上高1659億円。

[中村清司]

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百科事典マイペディア 「日本製粉」の意味・わかりやすい解説

日本製粉[株]【にっぽんせいふん】

製粉業界第2位の食品メーカー。1896年設立。製粉(小麦粉ふすま)製造からスタートし,食品(天ぷら粉,パスタ,冷凍食材,健康食品等)製造へと業容を拡大。倉庫業港湾運送事業も手がける。設立以来,明治,帝国東洋大里東亜,大阪など多くの製粉会社を合併しており,1990年にオーマイを吸収合併加工食品や健康食品,外食,バイオ関連など多角的に事業を展開する。本社東京。2011年資本金122億円,2011年3月期売上高2521億円。売上構成(%)は,製粉36,食品53,その他11。
→関連項目製粉業

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本製粉」の意味・わかりやすい解説

日本製粉
にっぽんせいふん

製粉会社。 1896年設立。以後製粉6社を吸収して成長,1960年大阪製粉,66年城北工業を合併。製粉では業界2位を占め,各種小麦粉製品を主力に冷凍調理食品,外食産業,農産物保管業務,港湾運送などの分野へも進出している。三井系。売上構成比は,製粉 56%,食品 42%,その他2%。年間売上高 1883億 2800万円 (連結。うち輸出1%) ,資本金 122億 4000万円,従業員数 1361名 (1999) 。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「日本製粉」の解説

日本製粉

正式社名「日本製粉株式会社」。英文社名「Nippon Flour Mills Co., Ltd.」。食料品製造業。明治29年(1896)設立。本社は東京都渋谷区千駄ケ谷。製粉会社。前身は日本初の機械式製粉機を導入した官営製粉工場。加工食品・健康食品など多角展開。子会社にそば粉製造の松屋製粉やパスタ類製造のオーマイなど。東京証券取引所第1部・札幌証券取引所上場。証券コード2001。

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世界大百科事典(旧版)内の日本製粉の言及

【製粉業】より

…日本の製粉業は,原料小麦が食糧管理制度の対象となっているため,政府から前年の生産量に応じて供給されており,規制色の強い業界となっている。また,業界構造は大手メーカーと中小メーカーが混在する形であり,メーカー数は150社を超えているが,日清製粉,日本製粉,昭和産業をはじめとする上位10社のシェアは80%に達しており,年々高まっている。 日本の製粉業は,江戸時代末期には麵(めん)用に水車と石うすを用いた農村工業として成立していた。…

※「日本製粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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