日米密約(読み)にちべいみつやく

共同通信ニュース用語解説 「日米密約」の解説

日米密約

1971年の沖縄返還協定は、米国資産の移転費用などとして日本側の3億2千万ドルの支払いを規定したが、日本側の説明にない/(1)/米軍用地の原状回復補償費400万ドル/(2)/米国の短波放送中継局の解体移転費用1600万ドル―を含む極秘の財政負担が発覚した。この他にも、60年の日米安全保障条約改定時に米軍核搭載艦船通過寄港事前協議の対象外とした核密約などがある。

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百科事典マイペディア 「日米密約」の意味・わかりやすい解説

日米密約【にちべいみつやく】

日米安全保障条約沖縄返還協定に付随して,締結時に日米両国政府の間で交わされた秘密の約束。日本国政府,歴代政権は一貫してその存在を否定してきたが,2009年9月に政権交代を果たして発足した鳩山由紀夫内閣で,岡田克也外務大臣は,密約の存在について,外務省に調査を命じ,あわせて有識者委員会による検証を指示。(1)核持ち込み時の事前協議の対象から艦船の寄港などを外す核密約(2)朝鮮半島有事の際に米軍が在日米軍基地を出撃拠点として使うことを認めたもの(3)有事の際の沖縄への核の再持ち込みに関するもの(4)米側が負担すべき原状回復費400万ドルを日本側が肩代わりするなどの財政取り決め,の4つの存在が指摘された。2010年3月,有識者委員会は,(1)(2)に関して密約の存在を認定,(4)に関しては広義の密約としたが,(3)については,密約とは認定しなかった。1967年,当時の内閣総理大臣佐藤栄作はそれまでの政府見解を踏襲して,核を「持たず,作らず,持ち込ませず」という非核三原則表明,非核三原則は1971年,国会で決議され,日本の国是となっている。佐藤は1974年,ノーベル平和賞を受賞している。しかし,核を持ち込ませずという原則は,密約の存在によって,当初から事実上虚偽のものであったことが明らかとなった。外務省は,この調査報告にともない,文書開示を行ったが,多くの重要文書が意図的に廃棄されており,その経過も含め,さらに問題究明がなされる必要が指摘されている。→沖縄沖縄返還密約

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