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星間メーザー せいかんメーザーinterstellar maser

世界大百科事典 第2版の解説

せいかんメーザー【星間メーザー interstellar maser】

マイクロ波増幅器などにその原理が応用されているメーザー現象が,宇宙において巨大な規模で起こっていることがわかったのは1965年である。初め水酸基OH,次いで水蒸気H2O,一酸化ケイ素SiOなどの分子の放つメーザー電波スペクトルが発見されている。その多くは,生まれかけの星や赤色超巨星など,激しくガスを放出する星の周辺で見られ,流れ出す分子ガスを中心星からの放射が励起して,分子に異常なエネルギー分布を与えていると見られる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

星間メーザー
せいかんめーざー

メーザーは、光におけるレーザーの電波版である。レーザー同様に実験室内で発見され、高感度増幅器などに実用化されているメーザー現象であるが、宇宙では広くメーザー増幅作用が観測され、星間メーザーとよばれる。
 ヒドロキシ基-OH分子の波長18センチメートル線、水蒸気H2O分子の波長1.35センチメートル線および一酸化ケイ素SiO分子の波長6.9ミリメートル、3.5ミリメートル帯の一連のスペクトル線、メチルアルコール(メタノール)CH3OH分子などが、強力な星間メーザー現象をおこすことで知られている。これらはミラ型変光星などの赤色巨星や赤色超巨星、あるいは生まれかけの恒星を取り巻く雲や原始惑星系円盤などで観測される。その多くは、中心の星からの大規模なガス流出を伴うことで共通している。すなわち、流出するガス内で大量の分子がつくられ、中心星からの強い紫外線や赤外線がこれらの分子を励起して、エネルギー準位の分布に異常をおこし、メーザー増幅効果をもたらすのである。したがってOH,H2O,SiOメーザーの観測は、星の一生における誕生期と末期におこるガス放出現象の研究のための欠かせない手段ともなっている。ほかにもさまざまな星間分子でメーザー現象がおきることが知られており、恒星の距離や巨大ブラック・ホールの質量を測るなどの観測にも、星間メーザーが広く利用されている。[海部宣男]
『赤羽賢司・海部宣男・田原博人著『宇宙電波天文学』(1988・共立出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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