春日市(読み)カスガシ

デジタル大辞泉 「春日市」の意味・読み・例文・類語

かすが‐し【春日市】

春日

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「春日市」の解説

春日市
かすがし

面積:一四・一五平方キロ

県西部、福岡平野南部に位置する。南部・南西部は丘陵地帯となっている。東部御笠みかさ川支流牛頸うしくび川、中央部西寄りを御笠川支流諸岡もろおか川が北へ流れ、おもに南部を中心に白水しろうず池・大牟田おおむた池・寺田てらだ池・惣利そうり池など多数の溜池が点在する。北は福岡市博多区・南区、東・南は大野城市、西は筑紫ちくし那珂川なかがわ町に接する。東部を北西から南東にJR鹿児島本線が走り、その東を並行して西鉄天神大牟田てんじんおおむた線が走る。西端にはJR博多南線の博多南駅があり、隣接して新幹線の車両基地が設けられている。

〔原始・古代〕

遺跡の分布は市域東部の段丘上および春日丘陵上、中央部の同丘陵上、西部の段丘上と大きく三地域に分けられる。旧石器時代の遺跡は全域に散在し、ナイフ形石器台形石器、細石刃・細石核などの石器が発見されているが、那珂川右岸の市西部域に比較的多くの遺跡が認められ、なかでも上白水の門田もんでん遺跡の発掘調査ではまとまった資料が得られている。縄文時代の遺跡も旧石器時代の遺跡とほぼ同様の分布を示す。この時代の主要な遺跡としては、草創期に位置付けられる爪形文土器が二個体出土した門田遺跡、早期の石組炉が発見されたはる遺跡(上白水)、後期の竪穴住居跡六軒が確認された柏田かしわだ遺跡(上白水)などがあげられる。

弥生時代になると、「魏志」東夷伝倭人条にみえる奴国域に含まれる当地は大きな発展を遂げ、中期に入ると東部・中央部・西部の各地域に大規模な集落が出現する。弥生中期・後期の東部における遺跡としては、九州大学筑紫地区きゆうしゆうだいがくちくしちく遺跡群(春日公園五―六丁目など)駿河するが遺跡などがあり、ともに青銅器の鋳型や鐸形土製品が発見されている。中部では春日丘陵の北半部とその周辺に濃密な分布を示しており、奴国王墓と推定される墳墓が存在する須玖岡本すぐおかもと遺跡をはじめ、須玖永田すぐえいだ遺跡(日の出町六丁目)須玖唐梨すぐとうなし遺跡(須玖北四丁目)須玖五反田すぐごたんだ遺跡(同上)赤井手あかいで遺跡(弥生七丁目)大南おおみなみ遺跡(大谷二丁目)大谷おおたに遺跡(大谷四丁目)などが連続する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「春日市」の意味・わかりやすい解説

春日〔市〕
かすが

福岡県北西部,福岡平野の南部に位置する市。福岡市の南に接する。 1972年市制。古くから開けた農村地帯であったが,第2次世界大戦中に軍需工場が進出。戦後,アメリカ軍基地,陸上自衛隊第4師団などが設置された。 1950年代から福岡市の郊外住宅地として急激に発展。九州唯一の銅鐸が発見された岡本遺跡,日拝 (ひはい) 塚古墳 (いずれも史跡) ,須玖遺跡などの重要遺跡が分布する。春日に残る「春日の婿押し」は重要無形民俗文化財。 JR鹿児島本線,西日本鉄道大牟田線が通じる。面積 14.15km2。人口 11万1023(2020)。

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