デジタル大辞泉
「晒す」の意味・読み・例文・類語
さら・す【×晒す/×曝す】
[動サ五(四)]
1 日光・風に当てて干す。「布団を日に―・す」
2 風雨や日光の当たるままにしておく。「風雨に―・された石仏」
3 布などを水洗いしたり日光に当てたり、または薬品を用いたりして白くする。漂白する。「布巾を―・す」
4 野菜などのあく・臭みなどを抜くために水に浸す。「牛蒡を―・す」
5 広く人目に触れるようにする。「恥を―・す」「酔態を―・す」
6 避けることができないむずかしい事態に身を置く。「危険に身を―・す」「敵の脅威に―・される」
7 (「目をさらす」の形で)じっと見る。「新聞に目を―・す」
8 「晒し
3」に処する。「首を―・す」
[可能]さらせる
[類語]流す・濯ぐ・濯ぐ・洗う・洗い上げる・洗い立てる・洗い直す
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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さら・す【晒・曝・曬】
- 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
- ① 日光にあてておく。干す。
- [初出の実例]「布を浣(あら)ひ、曝(さら)し乾せり」(出典:常陸風土記(717‐724頃)那賀)
- 「saraite(サライテ) ヲイタ ヒツジノ カワノ ウエニ」(出典:天草本伊曾保(1593)鷲と烏の事)
- ② 布などの色を白くするために、灰汁(あく)で煮たのち水で洗って日光に干す。単に水で洗って日光にあてて白くすることもあり、現代では薬品で処理して白くする。
- [初出の実例]「多摩川に左良須(サラス)手作りさらさらになにそこの児のここだ愛(かな)しき」(出典:万葉集(8C後)一四・三三七三)
- 「たがためにひきてさらせるぬのなれや世をへてみれどとる人もなき〈承均〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・九二四)
- ③ 洗う。
- [初出の実例]「大伴の御津の浜辺を打ち曝(さらし)寄せ来る浪の行方知らずも」(出典:万葉集(8C後)七・一一五一)
- ④ 屋外に置いて雨風の当たるままにしておく。
- [初出の実例]「東の国の人は道の辺に骸をば曝(サラシ)」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
- ⑤ あらわに人に示す。広く人々の目に触れるようにする。あまねく世間に知らせる。
- [初出の実例]「まづ射殺して外にさらさんと思ひ侍る」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- 「トガヲ sarasu(サラス)〈訳〉罪を人に示す」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- ⑥ いつどうなるかわからないような、好ましくない状況に置く。
- [初出の実例]「これらの陣地は絶えず敵襲に曝されてゐた」(出典:肉体の悪魔(1946)〈田村泰次郎〉)
- ⑦ 目をある物に向けて、見開いたままにしている。ある物を見ることに専念する。
- [初出の実例]「ガクモンニ マナコヲ sarasu(サラス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- 「日夜、朝暮仏経に眼をさらし」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)一)
- ⑧ さらしの刑に処する。梟(きょう)す。
- [初出の実例]「親子諸共獄門にさらさるべし」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)三熊野)
- ⑨ 相場で、売買の注文を市場に出す。売買をする。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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