デジタル大辞泉 「暖衣飽食」の意味・読み・例文・類語 だんい‐ほうしょく〔‐ハウシヨク〕【暖衣飽食】 暖かい着物を着て、飽きるほど食べること。十分に恵まれた生活をいう。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「暖衣飽食」の意味・読み・例文・類語 だんい‐ほうしょく‥ハウショク【暖衣飽食】 〘 名詞 〙 暖かに衣服を着て、飽きるまで食物を食べること。何の不足もなく生活すること。暖飽。飽食暖衣。[初出の実例]「暖衣飽食(ダンイハウショク)すなはち足れりと、ズッとすましこんで居た時代は」(出典:諷誡京わらんべ(1886)〈坪内逍遙〉五)[その他の文献]〔説苑‐臣術〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「暖衣飽食」の解説 暖衣飽食 暖かな衣服を着て、腹いっぱいに食べること。物質的に何の不足もなく生活することのたとえ。 [活用] ―する。 [使用例] 安野にしてみれば、先さき程ほどは爆撃というものの恐ろしさ、飢き餓がの悲しさなどを話して、占領者の余よ塵じんを蒙こうむって暖衣飽食して来た大島の蒙もうをひらいてやろうというに近い気持ちでいた[堀田善衛*断層|1952] [使用例] 地面をはいずって働いている百姓は食うや食わず、工場で油にまみれて働いている労働者はボロをさげているのに、資本家どもは暖衣飽食、みずからの額に汗することなく、自分の手を土や油でよごすことなく、金をざくざく、金だけしこたませしめている[高見順*いやな感じ|1960~63] [解説] 現代語では「暖衣飽食」の形で使いますが、文献上、まず出てくるのは「飽ほう食しょく煖だん衣い」の形です(「煖」は「暖」と同じ)。最古の古典のひとつ「孟子」に出てくることばです。 中国で大昔、聖人が政治を行った時代のこと。聖人はまず、治水などの環境整備に務め、人々が安心して過ごせるようにしました。次に、農業を広め、人々が飢えずに暮らせるようにしました。 ところが、人間というものは、「飽食煖衣」するだけでは動物とそう変わりません。そこで、聖人は教育を広めて、人々が礼儀や秩序を守るようにしました。 これが「孟子」のエピソードです。この「飽食煖衣」のうち「飽食」はおなかいっぱい食べること、「煖衣」(暖衣)は暖かい着物を着ることです。 後に「暖衣飽食」の形も現れ、日本語では「暖衣飽食」と言うことが一般的になりました。中国語ではどうかというと、同じ意味の「豊衣足食」を使うことが圧倒的に多いようです。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報