暦博士(読み)レキハカセ

デジタル大辞泉 「暦博士」の意味・読み・例文・類語

れき‐はかせ【暦博士】

こよみのはかせ

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精選版 日本国語大辞典 「暦博士」の意味・読み・例文・類語

れき‐はかせ【暦博士】

  1. 〘 名詞 〙 令制で、中務省管下の陰陽寮に属した官人。こよみを作り、暦生教育に当たった。定員一名。従七位上相当官。こよみのはかせ。暦日博士暦家
    1. [初出の実例]「暦博士一人。〈掌暦、及教暦生等〉」(出典令義解(718)職員)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「暦博士」の意味・わかりやすい解説

暦博士
れきはかせ

「こよみのはかせ」ともいう。暦をつくり、また暦生に暦道を教える官職。554年に朝廷の要請により、百済(くだら)から暦博士王保孫(おうほそん)が来朝している。令(りょう)制では中務(なかつかさ)省の陰陽寮(おんみょうりょう)に属し、従(じゅ)七位相当官であったが、平安時代以降は五位の者が任じられた。定員は1名で、のちに権暦博士(ごんのれきはかせ)を増員した。791年(延暦10)から職田3町を給せられた。平安中期から賀茂(かも)家が世襲するようになったが、戦国時代にいったん暦博士の職は絶え、江戸時代初頭に賀茂家の末裔(まつえい)(幸徳井(こうとくい)家)によって復活し、幕末に至った。江戸時代の暦博士は、幕府天文方が作成した暦の草案に陰陽道による暦注を記入するだけで、編暦には携わらなかった。

[岡田芳朗]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「暦博士」の意味・わかりやすい解説

暦博士
れきはかせ

朝廷で暦をつくった官吏をいう。欽明 15 (554) 年に百済から暦博士を招いたと『日本書紀』にあるが,律令制では中務省陰陽寮に所属する従七位上相当の官吏。定員1人。中国暦法によって暦をつくるほか 10人の暦生を教授。平安時代中期以降おもに賀茂氏が世襲する職となったが,近世に入って廃絶。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「暦博士」の解説

暦博士
れきはかせ

律令制の陰陽(おんみょう)寮に属する教官。唐の司暦と保章正の職掌を兼ね,暦の作成と暦生に暦法を教えることを職務とする。従七位上相当。定員は本来1人だが,やがて権暦博士1人がおかれ,暦博士2人による暦の作成が定着した。2人の博士が頒暦(はんれき)用の暦と天体暦である七曜暦の作成を分担したと思われるが,頒暦の署名の実例は2人の博士による連署である。平安後期以降の暦博士は賀茂氏が独占した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「暦博士」の解説

暦博士
れきはかせ

律令制下,陰陽寮の職名
天文・暦数などをつかさどり,暦をつくり,暦を学ぶ学生(暦生)を教えた。

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