さいご‐つうちょう ‥ツウテフ【最後通牒】
〘名〙
② この要求を守らなければ
実力を
行使するということを
相手に示す最後的な知らせ。
※ユーモア突進(1930)〈東健而〉狐と狸物語「『弐千円よこすか、それとも━』と、谷君は最後通牒を発した」
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デジタル大辞泉
「最後通牒」の意味・読み・例文・類語
さいご‐つうちょう〔‐ツウテフ〕【最後通×牒】
1 紛争当事国の一方が、平和的な外交交渉を打ち切って自国の最終的要求を相手国に提出し、それが一定期限内に受け入れられなければ自由行動をとることを述べた外交文書。
2 交渉の決裂も辞さないという態度で、相手に一方的に示す最終的な要求。「最後通牒をつきつける」
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最後通牒
さいごつうちょう
ultimatum
国際交渉において、自国が得たい最小限の、または譲歩しうる最大限の事項を最終的なものとして提出し、それを相手国が受諾しなければ相手国の要求は拒否され交渉は停止されるという意思の表明をさす。一般的には、相手がそれを受諾しなければ強制措置または戦争に訴えると脅かして相手に譲歩させようとする内容の外交文書である。1907年「開戦ニ関スル条約」は、敵対行為開始の条件として、開戦宣言のほかに「条件附開戦宣言ヲ含ム最後通牒」の形式を認めた。もっとも、この最後通牒は今日、国連憲章の禁止する「武力による威嚇」に該当することもあり、その法的意味をもはや失っているともみられる。
[藤田久一]
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最後通牒【さいごつうちょう】
国際紛争に当たって,平和的交渉を打ち切り,最後的要求を提示し,それが受け入れられなければ自由行動をとる旨を通告する外交文書。一般に短時間(24時間ないし48時間)の期限がつけられる。自由行動とは国交断絶・封鎖のほか一定兵力の使用も意味するが,特に戦争に訴えることを明示したものを条件付戦争宣言といい,期限満了と同時に自動的に戦争状態に入る。→開戦
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最後通牒
さいごつうちょう
ultimatum
紛争解決のための外交交渉を打切り,一方の当事国が他方に対し最後的な要求を提出し,受入れられなければ自由行動に出る旨を述べた外交文書。一般に一定の期限が付される。自由行動とは国交断絶,封鎖,場合によっては武力の行使あるいは戦争を意味する。 1907年の「開戦に関する条約」1条は,戦争開始の形式として,開戦宣言と条件付き開戦宣言を含む最後通牒を規定している。相手国が完全承服を拒否すれば,所定の時間の経過によって自動的に戦争状態が成立する。国連憲章は,戦争を含む武力行使を禁止しているので,武力行使を予定した最後通牒が適法なものか否かは問題とされている。
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さいごつうちょう【最後通牒 ultimatum】
本来は,国際交渉において一方が獲得したい最小限または譲歩しうる最大限の事柄を最終的のものとして提出し,それを他方が受諾しなければ他方の要求は拒否され交渉は停止されるという内容の意思表示を意味する。しかし普通には,相手方がそれを受諾しなければ強制措置または戦争に訴えると予告して,獲得しようとするものを記載する外交文書を指す。1907年〈開戦に関する条約〉は,敵対行為開始の条件として,開戦宣言の形式か,〈条件付開戦宣言ヲ含ム最後通牒〉の形式をとる必要を定めた。
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