通牒(読み)つうちょう

精選版 日本国語大辞典「通牒」の解説

つう‐ちょう ‥テフ【通牒】

〘名〙
① (━する) 文書で通知すること。また、その文書。
※郵便報知新聞‐明治一六年(1883)八月六日「此新税に関したる議票は、既に各国政府に通しあれども」
② (━する) =つうたつ(通達)
※議院法(明治二九年)(1896)八四条「議長より内務大臣に通牒し補闕選挙を求むへし」
③ 国際法上、国家の一方的意思表示を内容とする文書。国家の政策などを表示する場合に用いられる。
※遅過ぎた日記(1954)〈長与善郎〉終戦「既にソ聯に通牒を発したといふニュースである」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「通牒」の解説

通牒
つうちょう
note

一般的に国家間で、一国から他国に対する正式の意思の伝達行為をさし、国交関係のある国の場合、自国の駐在外交使節(大使、公使)を通して、通牒を、相手国の政府(外務省)に手渡す。特殊な通牒として最後通牒ultimatumがある。1907年第2回ハーグ平和会議の「開戦ニ関スル条約」第1条においては、戦争は、宣戦布告または最後通牒を事前に相手国に伝達したのちに開始すべきことを、この条約の当事国に義務づけている。

[經塚作太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「通牒」の解説

通牒
つうちょう
note

(1) 外交上において,一国が,相手国の諾否いかんを問わず自国の態度,政策,事実などを通知する文書。 (2) 行政官庁の用語で,行政官庁が所管の諸機関,職員,または地方公共団体などに対して,ある事項を通知する形式。現在は国家行政組織法 14条2項の規定にあるように,これを「通達」 (→訓令 ) と呼称している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉「通牒」の解説

つう‐ちょう〔‐テフ〕【通×牒】

[名](スル)
書面で通知すること。また、その書面。
通達1」の旧称。
国際法上、国家の一方的意思表示を内容とする文書。「最後通牒をつきつける」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版「通牒」の解説

つうちょう【通牒 note】

国際法上では,国家の一方的意思表示を内容とする文書。通常は,国家の態度,政策を表示するために用いられる(例えば最後通牒)が,申込みの意思表示であることもあり,この場合,相手国が通牒で承諾の意思表示をすれば,二つの通牒で国家間の合意が成立する。国内法上では,行政官庁が所管の諸機関や職員に対してなす一般的指揮処分の形式の一種。訓令と区別され,現在では通達と称する。【岡村

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の通牒の言及

【外交】より

…信任状や全権委任状を持っていない。 ノートnotes通牒ともいわれ,外交文書中最も重要なもので,使節団長が相手国政府にあてたものである。外交文書にはこのほか,口上書note verbale,覚書mémoireがあるが,それぞれフォーマルな程度を低くする。…

【通達】より

…上級行政機関が下級行政機関に対して命令する一形式で,文書によってなされる場合をさす。かつては達,示達と呼ばれ,また行政機関の用いる用語としては通牒と呼ばれることもある。国家行政組織法は,大臣等行政機関の長が通達を発しうることを明らかにしているが(14条2項),必ずしもこれらの者にかぎらず,階統的行政組織の上級機関であれば通達を発する権限を有する。…

※「通牒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報