星月夜(読み)ホシヅキヨ

  • ほしづくよ
  • 星▽月夜

デジタル大辞泉の解説

晴れて星の光が月のように明るい夜。ほしづくよ。 秋》「戸口まで送って出れば―/子規
主に謡曲で、「暗(くら)」と同音の「倉」を含むところから、「鎌倉」を導くために使われた修飾語。
「―鎌倉山を朝立(あさだ)ちて」〈謡・調伏曽我〉
ほしづきよ」に同じ。

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大辞林 第三版の解説

星の光で、月夜のように明るいと感じた夜。ほしづくよ。 [季] 秋。
歌・謡曲などで、「鎌倉」「鎌倉山」を導く語。「我一人鎌倉山を越え行けば星月夜こそ嬉しかりけれ/永久百首」の歌に基づく用法をいう。 明くるを待つや-鎌倉山を朝立ちて/謡曲・調伏曽我
ほしづきよ(星月夜)に同じ。 [季] 秋。 -空の高さよ大きさよ /尚白

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 星の明るい晩。月が出ていないで、星だけが輝いている夜。星明りの夜。《季・秋》
※狭衣物語(1069‐77頃か)四「ほし月夜のたどたどしきに烏帽子のきと見えたるに心惑ひし給ひて」
※永久百首(1116)雑「我ひとりかまくら山を越行は星月夜こそうれしかりけれ〈肥後〉」
② 「暗」と同音の「倉」を含む「鎌倉」にかかる修飾語。主として謡曲で枕詞ふうに用いられた。
※謡曲・調伏曾我(1480頃)「箱根詣でのおんために、明くるを待つや星月夜、鎌倉山を朝立ちて」
③ 地名「鎌倉」、あるいはそれに縁のある「鎌倉将軍」(源頼朝)、「松ガ岡」(東慶寺)などを暗示的に表わす。
※北国紀行(1487)「今もなほ星月夜こそ残るらめ寺なき谷の闇のともしび」
④ 植物「ゆうがぎく(柚香菊)」の異名。
[語誌]歌語としての初出は①の挙例「永久百首」の肥後の作で、これは意図的に珍しい語を用いたもの。しかし、「夫木和歌抄」にも採られたこの歌の影響は大きく、連歌では付合(つけあい)で「鎌倉山」に縁のあることば(寄合)となり(一条兼良「連玉合璧集」)、謡曲では②のように「鎌倉」の飾り詞として用いられるようになる。これは、平安期には珍しい歌枕のひとつにすぎなかった「鎌倉」が、頼朝登場以降は重要地名となり、寄合・飾り詞の需要が増したためでもある。
〘名〙 =ほしづきよ(星月夜)《季・秋》

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