ちょうせん‐がね テウセン‥【朝鮮鐘】
〘名〙
朝鮮の鐘の
一つ。新羅時代から高麗時代にかけて、朝鮮で鋳造された鐘。
龍頭は単頭式で、
胴部に
若干のふくらみをもち、
上帯・下帯の
空間部分に
天人像・
仏像などの
文様をもつ。
日本では、宇佐八幡宮所蔵鐘が著名で、新羅時代の作といわれる。
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デジタル大辞泉
「朝鮮鐘」の意味・読み・例文・類語
ちょうせん‐しょう〔テウセン‐〕【朝鮮鐘】
朝鮮半島で新羅時代から高麗時代に鋳造された銅製の梵鐘。竜頭は単頭で旗挿しという円筒がつき、肩と口辺に唐草模様をめぐらす。飛天などが鋳出されている。日本に多くの遺品が伝わる。
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ちょうせんしょう【朝鮮鐘】
朝鮮半島で製作された一群の梵鐘で,他にまったく比類のない特殊な型式を備えている。まず,竜頭が単頭で,その頸を半環状に曲げて懸吊(けんちよう)の役目を果たし,また,竜頭の背後に密着して〈旗挿し〉(甬(よう))という円筒状のものが立つ。次に,和鐘のように,鐘身に大小長短の区画が施されず,その代りに鐘身の上端と下端とに,唐草文とか宝相華文(ほうそうげもん)が浮彫された装飾帯がめぐらされる。その上端帯の下縁には,乳郭が4ヵ所あり,凹字形をした各郭内に3段3列9個の乳を配列する。
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朝鮮鐘
ちょうせんしょう
朝鮮で新羅時代 (8世紀) 頃から鋳造された梵鐘。裾広がりの円塔形で,胴部にふくらみがあり,上下帯にはさまれた空間に仏菩薩,天人,飛雲などを浮き文様で鋳出している。笠部に竜頭に接して旗挿と呼ぶ円筒が取付けられている点に,和鐘と異なる最大の特色がある。新羅時代からの遺品があり,日本へも輸出されその模作も製作された。
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世界大百科事典内の朝鮮鐘の言及
【梵鐘】より
…中国鐘には鐘身の裾がヨーロッパのベルのように開き,波状などに作るものがある。また朝鮮鐘は袈裟襷がなく,鈕の竜頭(りゆうず)後方に装飾的な筒(旗挿または甬(よう))を付すものが多い。なお現存する梵鐘のうち,在銘の最古のものは,中国,南北朝陳の太建7年(575)銘のもの(奈良国立博物館)で,和鐘では戊戌年(698∥文武2)の銘をもつ京都妙心寺の鐘,朝鮮では唐の開元13年(725)銘の上院寺鐘が古い。…
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