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飛天 ヒテン

デジタル大辞泉の解説

ひ‐てん【飛天】

空中を舞ってをたたえ、仏の世界を守る天人天女

ひてん[人工衛星]

平成2年(1990)1月に打ち上げられた工学実験衛星MUSES-A(ミューゼスエー)の愛称。名称は空中を舞う天人、飛天にちなむ。宇宙科学研究所(現JAXA(ジャクサ))が開発。衛星の制御、月のスイングバイ実験、地球の空力ブレーキ実験、同衛星と孫衛星はごろもの月周回軌道への投入などに成功。平成5年(1993)4月に運用を終了し、月面に落下した。

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百科事典マイペディアの解説

飛天【ひてん】

仏教美術において,本尊の周囲を飛びながら舞い,あるいは音楽を奏する天人,天女。彫刻では,仏像光背天蓋に付けられる。法隆寺金堂壁画法隆寺献納宝物灌頂幡(かんぢょうばん),薬師寺東塔水煙のものが名高く,平等院鳳凰堂の木彫雲中供養菩薩も飛天の一種。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひてん【飛天】

一般には虚空を飛ぶ天人のこと。ことに仏教において,仏(如来)の浄土の空中を飛びながら天の花を散らし,あるいは天の音楽を奏し,あるいは香を薫じて仏を讃える天人を意味する。天人のほかに菩薩も仏の徳を讃嘆して虚空に舞うが,日本ではそれを区別せず,いずれも飛天の名で呼び,多く女性像で表されるため天女とも呼ばれる。仏教の初期から表現されており,作例が見いだせる地域は仏教が普及した全域に及ぶ。インド地方では,サーンチー大塔東門の浮彫をはじめとして,ガンダーラマトゥラーなどに作例がある。

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大辞林 第三版の解説

ひてん【飛天】

〘仏〙 天界に住み、仏を守りたたえる天人・天女のこと。空中に舞うことからいう。光背や天蓋てんがいに彫られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飛天
ひてん

天衣(てんね)をまとい空中を飛行する天人。エジプトやメソポタミアに生まれ、ギリシア、ローマへと展開する有翼の神々(勝利の女神ニケや恋の神キューピッドなど)に対して、東洋では翼をもたない飛天が創造された。その発生の地はインドとされている。西方の飛天が、おもに裸体中心の表現、つまりギリシア的な肉体賛美にあったのに対して、東洋、ことに中国では、装飾的な天衣に関心が寄せられた。敦煌(とんこう)から雲崗(うんこう)、さらに天竜山へと、しだいに中国的な視覚が浸透していくにつれて、この傾向が明らかになる。日本では、法隆寺金堂天蓋(てんがい)の飛天、東京国立博物館の金銅透彫灌頂幡(すかしぼりかんじょうばん)の飛天などは、いずれもこの流れをくむ古式の飛天である。村元雄]

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世界大百科事典内の飛天の言及

【文様】より

…また空中を飛行する人物というモティーフは,エジプトや西アジアに有翼の精霊としてはじまり,中央アジアまで東伝した。一方,インドでは領布(ひれ)をひるがえし,手足を泳ぐように動かして飛ぶ飛天が誕生し,仏教美術とともに東伝し,西域では西アジア系の有翼像との融合もみられた。中国では,すでに漢代以来,神仙世界の神人が翼をつけて飛ぶ姿をみせていたが,南北朝時代に西方から入った飛天を採用し,雲中を飛ぶ姿に変容されてゆき,唐朝には天衣をひるがえして飛ぶ優雅な天女(人)の姿が完成した。…

※「飛天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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