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木構造 もっこうぞう

百科事典マイペディアの解説

木構造【もっこうぞう】

木材を骨組みとした建造物の総称。和風木造,洋風木造,木骨コンクリートブロック造,土蔵造等が該当。軽量で,構築が容易で建築費は安いが,耐火性・耐久性に難点がある。

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ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

木構造

ツリー構造」のページをご覧ください。

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家とインテリアの用語がわかる辞典の解説

もっこうぞう【木構造】

木造。⇒木造

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

木構造
もくこうぞう
timber construction; wooden structure

柱や梁,屋根の小屋組みなど建築物の主要構造部材のすべてが木材で構成された構造物,構造形式,あるいは構造技術をいう。木材同士の接合,ボルト・ナット,かすがいくさびジベル羽子板金物など鋼製のファスナが用いられる。日本では気候,風土の関係もあって,木構造による住宅建築の数は多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木構造
もっこうぞう
wooden structure

木材を主材料として組み立てた骨組を建物の主体とする構造体の総称。「もくこうぞう」とも読む。温帯性気候に属する日本列島は、四季折々の変化に恵まれるばかりでなく、きわめて多種類の針葉樹や広葉樹の繁茂にも恵まれている。このすばらしい緑に囲まれ成長した樹木を伐採し、居住空間を形成するに必要な建築材料としてわれわれは「木」を活用してきた。木造建物に適した気候や風土のなかで建物として好適な材料を選択し、独特な技法を開発し、それを駆使することによって、より洗練された様式をもつ木造建築を創造し、深く定着させてきた。このような「木」に恵まれた自然環境があるからこそ、われわれは欧米人に比べ木造建物のもつ優れた肌ざわり、自然な美しさ、柔らかさ、暖かさに愛着と郷愁を人一倍強く感じている。
 一般的な木造建築は、軸組部、床組部、小屋組部に分けられ、これら主要な部分がすべて木材からなっている建物を木造建築とよんでいる。[小堀鐸二・金山弘雄]

構造

木造建物のうち、もっとも多く建設されている一般の木造住宅を念頭に置いて木構造を考えてみると、骨組や壁の作り方によって、軸組工法、枠組壁工法、パネル式プレハブ工法に分類されよう。
 軸組工法とは日本の伝統的な工法であり、基礎の上に土台を置き、その上に柱を立て、その柱を桁(けた)や梁(はり)、胴差しでつなぎ、この骨組の間に間柱(まばしら)や貫(ぬき)、筋かいを加え軸組を固め、そして梁や桁上に小屋を組み上げ、接合部を継手(つぎて)、仕口(しぐち)、金物などで緊結してつくりあげる形態をいう(図A)。また、この主要な軸組材間の壁体の作り方によって、柱を外に出した真壁造(しんかべづくり)と、壁を柱の外に出し、柱を見せない大壁造(おおかべづくり)がある。
 枠組壁工法は、北アメリカの在来工法を日本に導入したもので、基本的な材の公称断面が2インチ×4インチであることからツーバイフォーの名称で知られている。この工法は、基本材で枠をつくり、これに合板など各種のボードを釘(くぎ)で打ち付けた壁を床の上に立て上げてゆく工法である。
 パネル式プレハブ工法は、枠材に合板を接着剤で張り付けてつくった壁パネル、床パネルなどをボルトその他で相互に緊結して建物を構成するものであり、昭和40年代に全盛を迎えた工法である。
 その他、丸や四角の断面をした太い木材を水平に組み合わせて壁面をつくる組積(そせき)式、あるいは丸太組工法もあり、校倉(あぜくら)造もこの一種である。
 いずれにしろ木造建築の大部分は、長材を直交させ、四角形の骨組を構成している。そのため風や地震のような強い横力に対して不安定で転倒しやすいため、垂直面には筋かいや方杖(ほうづえ)を、床面、屋根面といった水平面には火打ちなどの斜(しゃ)材(補強材)を入れ、骨組の安定を図っている(図B)。また建物の浮き上がり、転倒に対しては、土台と基礎をアンカーボルトで緊結している。
 木材の欠点の一つとして、長い通直材が入手しがたく、また材の撓(たわ)みが大きいため、大規模な梁間の建物をつくることが困難であったが、短い材を組み上げてトラス・アーチをつくり、継手、仕口を金物を用いて補強し、大空間を支える構造技術が発達し、大規模木造建築も容易に建設されるようになってきた。また近年、単一材では及ばない大規模建築空間を構成する構造材として、木材のラミナ(集成材の各層を構成する引き板)を接着剤で固め、防火、防震、防腐の性能を付与した構造用大断面集成材の開発が著しい。現在すでに集成材による直径約160メートルの木造ドーム(アメリカ、タコマドーム)などが実現している。また木材と他の材料を利用した構造物の力学的研究および木構造自身の研究が飛躍的に発達し、木材のもつ軸方向力の特質を生かした木造ハイブリッド構造などの構造形式も開発され、大空間を構成する建物が建設されつつある。[小堀鐸二・金山弘雄]

材料特性

一般的な木造建築において、材料は構造材と造作材に分けられ、構造材料としては、直材で狂いの少ない十分な強度と耐久力を備えた針葉樹が多く用いられている。日本ではおもに、ヒノキ、スギ、マツが用いられ、ツガ、モミなども併用されている。一方、カシやクリなどの広葉樹は耐久性に優れてはいるが、狂いやすく直材が得にくい。造作材としては、ケヤキ、サクラ、ナラなどが美しい木目から装飾的に利用されている。またラワンは合板加工されたり、骨組の一部に用いられている。
 木材は建築材料としてみた場合、入手・運搬が比較的容易であること、切断・切削など加工が容易であること、軽量であること、材質的に繊維方向の力に強いこと、木目の美しさから装飾的価値があるとともに、質感の豊かさ、暖かさが生かされること、異なった部材との組合せが容易であること、熱伝導率が小さく、音、機械的振動の吸収性能にも優れていることなど、多くの利点を有している。さらにそのうえ、鉄やコンクリート類のもっていない耐酸・耐塩など木独特の特性をも有している。
 一方、細胞の配列状態から、繊維方向、半径方向、接線方向の三つの方向によって物理的・力学的性質が異なるいわゆる異方性の性質を有すること、細胞膜の含水状態により膨張収縮すること、天然材料であるから均質でなく種々の節、割れなどの欠点を伴うことがあげられる。また可燃性であり、風雨による風食、湿気、菌類、シロアリなどの害虫に対しては、耐久性に乏しい欠点も持ち合わせている。
 力学的にみれば木材の許容応力度の単位重量当りの強さ(これを比強度とよぶ)は鉄やコンクリートより強い。したがって木材は建築材料として軽くてじょうぶで経済的な材料といえよう。しかし他の材料に比べヤング係数(材料の剛さを示すパラメータ)が小さく、建築構造用材料として撓みが大きくなる欠点がある。昨今、これらの欠点を克服し木材固有の特性を発揮する主要構造材として利用できるよう大断面の集成材が製造され、その生産高は著しい伸びを示している。[小堀鐸二・金山弘雄]

耐久性

建物は長い間の気温の変化や風雨、ガスなど自然環境の作用を受けて損傷していくものである。さらに菌害、蟻(あり)の害、虫害などにより木材の劣化は促進される。木ばかりでなく建物に使用している釘、金物なども錆(さび)や腐食などによって材質の劣化現象が生じ構造耐力の低下に影響を与える。この耐久性や構造耐力に影響を与える原因として、近年の木造建築を取り巻く環境から人為的な要因を見過ごすわけにはいかない。すなわち、人口の高密度化に伴い敷地が狭く日当りが悪くなっていること、建物の高さ制限から床下が低く、通気・換気が悪くなっていること、デザイン優先から屋根勾配(こうばい)が緩く土台への雨水侵入がしやすくなっていることや、軒・けらば(切妻(きりづま)屋根の妻側の端部)の出が少なく外壁の雨がかりが増大していること、室内環境を快適に保ったり省エネルギーを目的として気密性が増大し、断熱材の挿入や冷暖房が普及して壁内や床面下に結露が生ずること、などである。
 これらの耐久性に及ぼす劣化を防ぐには建物の計画、設計、施工、さらに維持管理において耐久性に対する配慮がなされねばならない。
 また鉄筋コンクリートの耐用年数が約60年といわれるなかで、木材は、その強度が健全なときの3分の1に減少した時期が耐用年数と考えられている。さらに腐朽が進行して、健全なときの重量に対する重量減少が50%に達するならば、もはや木材の強度は零と考えたほうがよい。[小堀鐸二・金山弘雄]

耐火性

木材を加熱していくと可燃ガスが発生し、ある温度に達すると炎や火花から引火して燃焼が始まる(引火点)。さらに加熱すると引火しなくても自ら発火して燃焼する(発火点)。木材の引火点はおおむね260℃、発火点は430℃といわれている。このように、木材を利用する限り火災を受ければそれ自体の燃焼を避けることができないため、木造建築は耐火構造となりえない欠点を有している。
 木材に防火処理を施し燃焼が持続しないように防火木材を利用したり、あるいは、できあがった建物に防火塗料を塗布することによって燃焼を阻止することで、耐火構造になりえなくても燃えにくくすることは可能である。しかし完全な耐火性は期待できない。また集成材による建物の耐火性能については、火災後の再使用を意図する場合に断面の割り増し(断面が火事により表面がこげて耐力を保持できなくなるので、前もってそれを想定した大きなサイズにしておくこと)を規定している。[小堀鐸二・金山弘雄]

耐震・耐風

木造架構の構造計算を支配する外力は、日本の場合、地震力や風といった水平力である。諸外国と違って日本に建つ建物に加わる地震力や風力はきわめて大きい。このような大きな地震や風などの水平方向の力に対して、壁面に筋かいや方杖、あるいは屋根面、床面に火打ちなどを設けることによって各部を強固にし、各接合部は、金物の併用によって補強してきた。また浮き上がり転倒に対しては、基礎と土台をアンカーボルトで十分緊結するなどして対処してきた。また木構造は、地震時に、急な水平力が加わると、ほぞとほぞ穴、仕口、継手などによる木組間の遊びがエネルギーを吸収し、復元性も強いという特色を有している。
 しかし、木構造が風や地震に対し大きな被害を受けたことは過去において枚挙にいとまがない。したがって骨組はいうに及ばず、建物の配置、形状に対しても耐風的、耐震的な配慮が望まれる。耐風的配慮とは、L字形やコの字形のように主風向に対し風をはらみやすい形状は当然避けるべきである。また屋根の形状も風をはらみやすい複雑な形を避け、風上、風下ともに吹き上げ力に対し軒先やけらばの収まりに十分注意をする必要がある。耐震的配慮としては、やはりL字形やコの字形の平面は隅各部に局部応力が生じやすく、また高低差の大きなものは異なった振動性状を示したりするため、平面的に、立面的になるべく簡単なまとまりのよい建築計画が望ましいのである。[小堀鐸二・金山弘雄]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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