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木船 もくせんwooden ship

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

木船
もくせん
wooden ship

造船ともいい,木材を主材料として建造された。現在でも機帆船などの小型貨物船や小型の客船,漁船をはじめ,はしけ,引船などには木船が多い。その材料,構造方法,各部材の寸法などについて,日本では船舶安全法の付属規則の木船構造規則 (1958.7.1.施行) ,漁船特殊規則 (34.3.1.施行) にその基準が示されている。船の最も原初的な時代から 18世紀にいたるまで,ごく一部の地方を除いて木船が主流であったが,木材は大きさに限度があり,多数の木片を接合して造られるため,構造上に弱点があってあまり大型の船は造ることができず,造船術が進歩しても数百t,最大のものでも 2000~3000tであった。 18世紀末から 19世紀初めにかけて船材として鉄が取入れられるようになり,鉄と木材とを混用する木鉄交造船の時代を迎え,1821年には鉄製汽船『アーロン・マンビー』号が建造されたが,なお 19世紀中葉までは木船が海上輸送の主力であった。

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デジタル大辞泉の解説

もく‐せん【木船】

木造の船。

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大辞林 第三版の解説

きぶね【木船】

中世から近世、薪炭や材木などを運んだ船。

もくせん【木船】

木造船。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木船
もくせん

木材を主要構成材とする船。船の歴史が始まって以来1800年代の中ごろまではイギリスやヨーロッパでもほとんどの船が木船だった。鉄船にかわってきたのは、1870年代からである。使用する木材にはカシ、ケヤキ、ナラなどの硬材と、マツ、スギ、ヒノキなどの軟材がある。硬材は強度を必要とする船尾材、舵(かじ)材、機関台などに、軟材は強度を要しない部分に使用された。木材は釘(くぎ)で接合し、水の浸入を防ぐため木材と木材の間にオーカム(まいはだ)をたたき込んだりパテを詰めたりした。構造様式には日本古来の和船型と西洋型がある。和船型は上甲板を張り詰めていなかったので復原性が劣り、日本でも1800年代の末期(明治30年ごろ)から大型は甲板の張り詰められた西洋型が主流となった。西洋型一層甲板船の構造様式の主要部分、すなわち、板を張り詰めた甲板、外板を内側の骨材のフレームやビームで補強する方式は、その後の鉄船、鋼船の横式構造に引き継がれている。
 木船は鋼船に比べて、船体重量が重い、釘での接合部が緩みやすく構造が弱い、腐食や摩耗が早いなどの欠点はあるが、古くから伝えられた技術で容易に建造できるので、適切な建造用木材が得られる間は盛んに建造された。しかし、日本では1960年代(昭和30年代後半)ごろから、木船に適する長大な木材、とくにキール材になる1本ものの材料が不足し始め、急速に木船の建造は困難になってきた。現在では、鋼船やアルミニウムを主とする軽金属船、プラスチック(FRP)船にとってかわられている。[森田知治]

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