コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

鋼船 こうせんsteel ship

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鋼船
こうせん
steel ship

鋼材で造った。船は造船技術の進歩に伴って木造船から木鉄交造船鉄船,さらに製鋼法の発明と改善によって鋼船へと推移してきたが,現在の大型船は鋼船が一般的で,タービン機関やディーゼル機関を推進力としている。 1868年イギリスのロイド船級協会 (→ロイズ船級 ) は鋼船を建造するための規則を発表,鉄より材料強度がすぐれている鋼を,鉄より2割方少い厚みでよいと認めた。 73年フランスが初めて鋼製軍艦『ルドータブル』号を建造。 79年イギリスで最初の鋼航洋汽船『ロトマハ』号が,また日本でも,90年長崎造船所で鋼船『筑後川丸』が進水した。現在は小型船以外は,ほとんど鋼船となっている。その後,造船業と船主による研究が進み,鋼船の貨物積載能力が木船,鉄船と比べて飛躍的に伸びた。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

こう‐せん〔カウ‐〕【鋼船】

船体の構造の主要部分を鋼鉄で造った船。鋼鉄船。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

こうせん【鋼船 steel ship】

船殻の主要構造の材料に鋼材を用いた船。鉄材を用いる鉄船iron shipとは区別される。1783年H.コートにより新しい製鉄法が発明されて以来,鉄材が船体用材料として部分的に使用されるようになり,1821年には最初の鉄製汽船アーロン・マンビー号が建造された。当初は鉄で船を造ることに不安ももたれたが,木船に比べ船体の大型化,船殻重量の軽減,有効な構造法,長寿命化が可能なためしだいに鉄船の建造が盛んになり,43年には排水量3618トンのグレート・ブリテン号,さらに58年には総トン数1万8915トンという,当時としては異例の大型のグレート・イースタン号が建造された。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鋼船
こうせん

船体の主要構造を鋼材(軟鋼)でつくった船。長い木船の時代ののち、鉄船に次いで19世紀後半から鋼船が出現し、20世紀に入って完全に鋼船の時代となった。鋼材の使用によって木船よりはるかに大型化が可能になり、しかも、船全体の重量に対する貨物重量の割合が増し、また船の寿命も延びた。造船技術の発達に加えて、軟鋼より強い高張力鋼が使用可能となったこともあって、載貨重量56万トン、長さ約400メートルまでの船が建造されている。[森田知治]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の鋼船の言及

【商船】より

… 日本は海に囲まれた国情から,早くから朝鮮や大陸との交易が行われていたものの,優れた航洋性を有する本格的な商船の出現は明治時代になってからのことであった。明治時代はすでに鋼船の時代であり,1890年に長崎三菱造船所で建造された大阪商船の筑後川丸(610トン)は日本最初の鋼製商船となった。その後日清,日露の戦争を経て日本経済の発展に伴い,また〈航海奨励法〉(1896),〈造船奨励法〉(1896)などもあって,1911年には日本の商船保有量は120万トン(世界第6位)に達し,20年にはアメリカ,イギリスに次いで世界第3位の海運国になった。…

※「鋼船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

鋼船の関連キーワード広島県豊田郡大崎上島町グレート・イースタン号丹沢 善利(2代目)グレート・ブリテン号カツオ・マグロ漁船カツオ・マグロ漁船アトランティス号甲板(こうはん)コンクリート船キール(竜骨)鎧張り・鎧張地方交通問題航海奨励法船舶安全法脆性破壊船体構造船底塗料堪航能力機帆船冶金

今日のキーワード

異常天候早期警戒情報

5日から 8日先を最初の日とする 7日間の平均気温がかなり高い,またはかなり低い確率が 30%以上と見込まれる場合に注意を呼びかけるため気象庁から発表される情報。低温や猛暑が長く続くと,人の活動や農作...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

鋼船の関連情報