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天下を治める方法を説いた本。1巻。江戸初期の成立。『治国大概(ちこくたいがい)』『正信記』などともいう。天道を知る事、侍(さむらい)の善悪を知る事、国主・郡主(大名)の心を知る事、百姓の仕置(しおき)の事など7項目からなり、「百姓は財の余らぬ様に不足なき様に治る事道なり」という文章は江戸幕府の農政思想を要約したものとして注目されてきた。新井白石(あらいはくせき)、室鳩巣(むろきゅうそう)などの学者によって、本多佐渡守正信(ほんださどのかみまさのぶ)が徳川2代将軍秀忠(ひでただ)のために書いたものとされてきたが、藤原惺窩(せいか)著と伝えられる通俗訓戒書『仮名性理(かなせいり)』にだれかが手を加え著者を正信に仮託したものと思われる。『日本教育文庫』家訓篇(へん)、『日本経済大典』3、『日本経済叢書(そうしょ)』1所収。
[高木昭作]
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江戸前期の教訓書。1巻。本多正信あるいは藤原惺窩(せいか)の著とされるが不詳。天道を知る事,身を端(ただ)する事,諸侍の善悪を知る事,国持の心を知る事,家を継ぐべき子をえらび後見の人おとなやくの人をえらぶ事,百姓仕置の事,異国と日本との事,の7項目からなり,為政者の天の理法に沿った仁政の実現を説く。木下順庵・新井白石・室鳩巣(むろきゅうそう)らは本多正信作とする。藤原惺窩作とする根拠は「仮名性理」に類似の表現がみられるためだが,「仮名性理」は江戸初期に流布した「心学五倫書」をもとに作られ,惺窩に仮託された偽書。本書もそれら2書の系統から作られた偽書とみられるが,江戸初期の政治思想を知るうえで有益。「日本思想大系」「日本経済叢書」所収。
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…近世初頭の農政の方針は〈まづ一人一人の田地の境目をよくたて,さて一年の入用作食をつもらせ,その余りを年貢に収むべし。百姓は財の余らぬやうに不足なきやうに治る事,道なり〉(《本佐録》)とあるように,農民の収穫のうち再生産に必要な最低限のものを残して,あとは年貢として取り立てようというものである。この段階では租率(免(めん),取箇(とりか)ともいう)は可能な限り高く決められ,村高×租率によって年貢高は定まった。…
※「本佐録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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