本説(読み)ホンセツ

デジタル大辞泉の解説

《古くは「ほんぜつ」とも》
根拠となる確かな説。典拠。
「この月、よろづの神達太神宮へ集まり給ふなどいふ説あれども、その―なし」〈徒然・二〇二〉
和歌・連歌・俳諧・能楽で、1句・1詞章を作るときの典拠となる物語・詩文・故事などの本文。
「脇の申楽(さるがく)には、いかにも―正しき事のしとやかなるが」〈花伝・三〉

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世界大百科事典 第2版の解説

〈ほんぜつ〉とも読む。根拠となる説の意。また和歌連歌,俳諧,謡曲の創作にあたって典拠とした本文のうち,和歌以外の物語,漢詩文故事,ことわざなどをいう。本説に依拠して詠歌することは,〈本歌取り〉と同様に,表現内容を豊かにし余情を深める技法として古くから行われたが,もっとも盛んであったのは新古今時代である。特に藤原俊成が《六百番歌合》の判詞で《源氏物語》尊重を主張して以来,《源氏物語》をはじめとする平安朝物語を典拠とすることが中世の歌人たちに広く行われた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (古くは「ほんぜつ」とも) 根拠となる確かな説。典拠。ほんぜち。
※山槐記‐治承三年(1179)六月二二日「仍問由緒、申立本説不知」
② 和歌・連歌・謡曲などを作るとき、よりどころとする物語・詩・故事などの本文。
※連理秘抄(1349)「本説 大略本歌におなじ。三句に及ぶべからず。詩の心・物語、又俗にいひつけたる事も寄合にはなる也」
③ 話題にしている、この説。

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