朱に交われば赤くなる(読み)しゅにまじわればあかくなる

ことわざを知る辞典「朱に交われば赤くなる」の解説

朱に交われば赤くなる

交わる仲間や友人によって感化されることのたとえ。人は周囲に影響されやすく、交際する相手によって善にもなれば悪にもなる。

[使用例] 草紙をお見せ。この前の清書の時は竹だったにね。(松若より草紙を受け取り、広げて見る)なるほど、「に交われば赤くなる」だね。大分しっかりして来たね。も少し字配りをよくしたらなおいいだろう。丹誠してお稽古したお蔭だよ[倉田百三*出家とその弟子|1916~17]

[使用例] 「やっぱり、あの学生さんの感化ですわね。――りっぱな人がそばにいると若い子は自然に、朱にまじわれば、という所なのね」[田辺聖子*夕ごはんたべた?|1975]

[解説] 「朱」は、朱色の顔料で、古くから漆の着色や絵具、朱肉などに用いられてきました。ことわざでは、朱がごく微量でも、付着したものをたちまち赤く染めることから、付き合う友人によって大きな影響を受けることのたとえにしています。漢文に由来する表現で、対句にして「に近付けば黒し」と続けることも多かったのですが、今日ではほぼ単独で使われます。
 なお、類句の「麻に連るるよもぎ」は、周囲の環境によってよいほうに感化されることのたとえですが、「朱に交われば赤くなる」は、善悪どちらに影響される場合にも使われています。

[類句] 麻に連るる蓬

〔英語〕He that touches pitch shall be defiled.(タールに触れるものは必ず汚れる)

〔中国〕挨近似金、挨玉似玉(金に近づけば金に似、玉に近づけば玉に似る)

〔朝鮮〕먹을 가까이 하면 검어진다(墨に近づけると黒くなる)

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故事成語を知る辞典「朱に交われば赤くなる」の解説

朱に交われば赤くなる

人は、交際する仲間や友人によって感化されやすいことのたとえ。

[使用例] やっぱり、あの学生さんの感化ですわね。――りっぱな人がそばにいると若い子は自然に、朱にまじわれば、という所なのね[田辺聖子*夕ごはんたべた?|1975]

[由来] 三世紀の中国、西せいしん王朝の時代の文人げんの「たいしょうしん皇太子の教育係のための心得)」という文章一節から。皇太子の教育係は正しい行いをする人物でなければならない、ということを、「朱に近づくは赤く、墨に近づく者は黒し(朱墨に接しているものは赤くなるし、墨に接しているものは黒くなる)」というたとえを用いて、述べています。

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精選版 日本国語大辞典「朱に交われば赤くなる」の解説

しゅ【朱】 に 交(まじ)われば赤(あか)くなる

人はその環境によって善にも悪にもなる。交際する仲間によって人は感化されるものであるということ。水は方円の器にしたがう。〔北条氏直時代諺留(1599頃)〕
※仮名草子・祇園物語(1644頃)上「世の中も朱(シュ)にましはれは赤(アカ)くなり。寺のほとりの童(わらんべ)は、ならはぬ経を、よむとも申せり」

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デジタル大辞泉「朱に交われば赤くなる」の解説

朱(しゅ)に交われば赤くなる

人は交わる友達によって、善悪どちらにも感化される。

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