杉浦茂(読み)スギウラシゲル

デジタル大辞泉 「杉浦茂」の意味・読み・例文・類語

すぎうら‐しげる【杉浦茂】

[1908~2000]漫画家。東京の生まれ。洋画家として帝展に入選後、田河水泡すいほう弟子となり、少年向けの時代もの・冒険漫画人気を得る。独特の世界観をもつギャグ作品は、時代を先取りしていた点で多く文化人にも影響を与えた。代表作は「猿飛佐助」「少年児雷也じらいや」「少年西遊記」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「杉浦茂」の解説

杉浦 茂
スギウラ シゲル

昭和・平成期の漫画家



生年
明治41(1908)年4月3日

没年
平成12(2000)年4月23日

出生地
東京・湯島新花町

学歴〔年〕
郁文館中(旧制)卒

主な受賞名〔年〕
児童文化功労者(第29回)〔平成1年〕

経歴
太平洋画会研究所油絵を学び、昭和5年帝展に入選したが、生計が立たず、7年田河水泡の門に入り漫画に転身、同年12月東京朝日新聞に「どうもいけねえ」でデビュー。8年「少年倶楽部誌上で6コマ漫画「思はぬ助け舟」を掲載。12年昭和漫画会結成に参加し、同人。14年日本児童漫画家協会同人。18年日本漫画報国会に入会、戦争のため国策絵本を手がける。戦後23年創刊の「少年少女漫画と読物」に「冒険ベンちゃん」を連載。次いで「キャプテン小僧」「弾丸トミー」「ピストルボーイ」「モヒカン族の最後」を経て、29年「猿飛佐助」、31年「少年児雷也」の連載を開始。少年時代に読みふけった読み物や映画の影響が色濃く出た自由奔放な子供の遊びの世界を描く傑作を生み出した。32年「杉浦茂傑作漫画全集」(集英社 全8巻)が刊行。経済復興と共に漫画の世界にも「鉄腕アトム」などヒーローが求められ、杉浦漫画は姿を消したが、再び脚光を浴び、62年代表作選集「杉浦茂ワンダーランド」(ペップ出版 全8巻)、平成5年「杉浦茂マンガ館」(筑摩書房 全5巻)が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「杉浦茂」の意味・わかりやすい解説

杉浦茂【すぎうらしげる】

漫画家。東京生れ。郁文館中卒。画家を志し太平洋画会研究所に入るが,生活のため漫画に転向し1932年田河水泡門下となる。1933年《思はぬ助け舟》でデビュー。戦前は教育漫画などを執筆。1946年単行本《冒険ベンちゃん》を刊行。以降《アップルジャム君》《猿飛佐助》《プロレスの助》《少年地雷也》などを発表して人気漫画家となる。独特のかわいらしいキャラクターと奔放な空想によって展開される世界は近年再評価され,選集が刊行されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「杉浦茂」の解説

杉浦茂 すぎうら-しげる

1908-2000 昭和-平成時代の漫画家。
明治41年4月3日生まれ。昭和5年洋画で帝展に入選するが,田河水泡の内弟子となり,8年「少年倶楽部(クラブ)」でデビュー。戦後「冒険ベンちゃん」「猿飛佐助」「少年児雷也」などのギャグ漫画で人気をあつめる。平成元年児童文化功労者。平成12年4月23日死去。92歳。東京出身。郁文館中学卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「杉浦茂」の解説

杉浦 茂 (すぎうら しげる)

生年月日:1908年4月3日
昭和時代;平成時代の漫画家
2000年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android