日本歴史地名大系 「東之宮古墳」の解説
東之宮古墳
ひがしのみやこふん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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愛知県犬山市犬山町白山平に所在する前方後方墳。愛知,岐阜の県境をなす木曾川の東岸に沿ってのびる愛岐丘陵の頂部に,北西面して築かれ,眼下に濃尾平野をのぞむ。全長78m,後方部の1辺47m,前方部幅43mを測る。後方部に2基,前方部に1基の埋葬施設が確認できる。いずれも古墳の主軸に平行する。このうち後方部の1基が盗掘されたために,1973年久永春男らがこれを発掘調査して,竪穴式石室から鏡,硬玉勾玉(まがたま),碧玉管玉(くだたま),碧玉製腕飾類,石製合子(ごうす),刀剣,槍,農工具類などを検出した。鏡11面は,中国鏡5面と仿製(ぼうせい)鏡6面とからなる。中国鏡はことごとく三角縁神獣鏡であり,うち4面には他古墳に同笵(どうはん)鏡をみる。鍬形石(くわがたいし),車輪石各1個,石釧(いしくしろ)3個を数える碧玉製腕飾類は,いずれも古式に属し,石製合子2個もまた小型の古式品である。古墳の年代は4世紀中葉ないし後半にあたる。
執筆者:川西 宏幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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