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東潜夫論 トウセンプロン

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デジタル大辞泉の解説

とうせんぷろん【東潜夫論】

江戸後期の経世論。3巻。帆足万里(ほあしばんり)著。弘化元年(1844)成立か。宮廷・幕府・諸藩の諸制度を批判、改革案を述べたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうせんぷろん【東潜夫論】

幕末期の弊政を指摘し,社会経済,国防の改革を論じた書。3巻。帆足万里の和文の著で1844年(弘化1)になる。王室,覇府,諸侯の3項からなる。題名は後漢末の弊政をついた王符の《潜夫論》に倣う。例えば幕府に対しては,江戸付近に大学を設けて諸学を講じ,西力東漸に備え洋式大艦建造,大砲・鉄砲の充実と訓練,大名城郭の石造,南北国境に大名を封じ防御体制を充実すべきことを説く。儒教の経国済民意識に立ちながら,蘭学知識に基づく時務論の性格が強い。

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大辞林 第三版の解説

とうせんぷろん【東潜夫論】

経世書。三巻。帆足万里ほあしばんり著。1844年頃成立。王室・覇府・諸侯の三編よりなり、幕藩体制に関する諸改革案を述べる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

東潜夫論
とうせんぷろん

豊後(ぶんご)国(大分県)日出(ひじ)藩の家老帆足万里(ほあしばんり)(1778―1852)の著書。1844年(弘化1)執筆。王室、覇府(はふ)、諸侯の3編からなる。王室第一では、朝廷が文教と礼楽とを担当し、文教では儒学をはじめ蘭学(らんがく)、仏教学、和学(国学)の振興に努めることを、覇府第二では、幕府が政刑を担当し、強力な中央集権制確立のため譜代(ふだい)大名の配置、貢租制、貨幣制度、都市計画、学制、寺院対策、外国貿易、辺地(蝦夷(えぞ)、樺太(からふと))開拓などの諸改革および新政策採用と、積極的な外国の侵略防備策を、諸侯第三では、奢侈(しゃし)や主従間の隔離、不正と賄賂(わいろ)の横行により乱れた藩政の刷新、武士土着と江戸留守居(るすい)・大坂蔵屋敷(くらやしき)留守居の廃止などを勧告した経世の書。和・漢学のほか蘭学にも通じて博学多識、しかも家老としての経験と実績を踏まえた論策で、新井白石(あらいはくせき)、荻生徂徠(おぎゅうそらい)の影響が強いが、朝廷復興策など創見も多い。『帆足万里全集 上巻』『日本経済叢書(そうしょ)』22などに所収。[宮崎道生]
『帆足図南次著『帆足万里』(1966・吉川弘文館)』

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世界大百科事典内の東潜夫論の言及

【経世済民論】より

…彼の晩年には1837年(天保8)のモリソン号事件,40年のアヘン戦争があり,利明の描いた理想的・平和的な西洋像と異なって,情勢は血なまぐさいものとして映った。信淵の絶対王政的な国家論は,富国強兵を国是とし,強大な軍事力を背景として貿易の論理を強力に展開し,その《宇内混同秘策》の広域的侵略主義は,帆足万里の《東潜夫論》などにおいて,いっそう積極的に継承されていく。
[農政家の経世論]
 以上の経世家たちは,おおむね為政者の側から現実を見つめて方策を〈献言〉する形をとった人々である。…

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