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株式公開買付制度 かぶしきこうかいかいつけせいどtake over bid; TOB

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

株式公開買付制度
かぶしきこうかいかいつけせいど
take over bid; TOB

不特定かつ多数の者に対し,公告による株式の買い付け・売り付けの申し込みの勧誘を行ない,取引所金融商品市場外で買い付けを行なう制度。株式の買付価格,期間,株式数を明らかにして株式購入を公募する。会社の支配権に影響を及ぼす可能性がある証券取引について,透明性,公正性を確保することを目的とする。株式公開買付は企業買収の有力な手段である。企業買収をねらう者は,当該企業の株式を市場外で大量に買い付けることになるが,その行為によって,対象企業のみならず,ほかの株主,投資家に不利益が生じかねない。これを防ぐため,買収行為に関する制度が導入され,2006年に金融商品取引法(27条)によって強化された。公開買付を行なわなければならないのは,(1) 多数の者(60日間で 11人以上)からの買い付けを行ない,買い付け後の所有割合が全議決権数の 5%をこえる場合,(2) 著しく少数の者(60日間で 10人以内)からの買い付けを行ない,買い付け後の所有割合が全議決権数の 3分の1をこえる場合。また,公開買付期間の設定は,20営業日~60営業日の間で公開買付者が選択し,対象企業による買収防止策発動などがなされた場合には,公開買付の撤回や買い付け条件の変更を認めている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

株式公開買付制度
かぶしきこうかいかいつけせいど

公開買付によって株券等の買付け等を行う者が、公開買付の目的・買付価格・買付予定株式等の数・買付期間などを公告して、不特定多数の株主等から株式を買い取る制度。相手企業との関係が友好的であれ敵対的であれ、企業買収のための株式の必要量を入手することから、企業の経営権を取得するための一つの手段とされることが多い。イギリスではテイク・オーバー・ビッドtake-over bidとよばれており、日本ではこれを略してTOBといわれることが多い。なお、アメリカにおいてはテンダー・オファーtender offerとよばれている。
 株式を獲得するやり方には、上場企業と非上場企業とで相違がある。上場企業の場合には、証券市場において仲介者(証券会社)によって売買取引が行われ、一方、非上場企業の場合には、前者と比べて手続がむずかしくなるのは避けられない。この制度は、イギリスでは1950年代、アメリカでは1960年代に盛んになり、日本では1971年(昭和46)に資本の自由化に伴って公開買付方法による企業買収が注目を浴びることになった。買付者は買付期間、買付数量、買付価格等をあらかじめ公開呈示することを義務づけられている。
 株式公開買付制度は投資家の保護と証券取引の秩序維持を目的として設けられた。この制度のもつ長所としては、短期間で大量の株式を取得可能な点があげられるが、価格が適正かどうかなどの問題も指摘されている。とはいえ、徐々にではあるものの、日本でもTOBを使ったケースが増えつつある。しかし、2005年(平成17)の株式会社ライブドアによるラジオ局ニッポン放送株の購入、および投資ファンド「M&Aコンサルティング」(通称、村上ファンド)の阪神電気鉄道株購入など、本来はTOBを使うべきであるのにもかかわらず、制度的な欠陥をねらった買収事例が散見される。本来、TOBは証券市場にとって非常に重要な制度であり、今後の日本市場の国際化の進展とともに、世界的なTOBも増加する可能性があることから、しっかりとしたルールの確立が必要である。[桶田 篤・前田拓生]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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