コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

桐の花 きりのはな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

桐の花
きりのはな

北原白秋の第1歌集。 1913年。『スバル』『創作』『朱欒 (ザンボア) 』などに発表した 09年来の短歌 446首と詩的エッセー6編を収録。短歌の伝統形式のなかにフランス印象派風の感覚を取入れ,あるいは都会情緒やエキゾチシズムを,または江戸情調の官能美を素材に,近代人的感傷と退廃感情をこめてうたいあげ,当時の歌壇に目のさめるような新鮮な美しさをもたらした。耽美派の手法はここに確立されることとなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

きりのはな【桐の花】

石森延男の児童文学作品。昭和43年(1968)発表。
北原白秋の第1歌集。大正2年(1913)刊。明治42年(1909)から大正元年(1912)にかけて発表した短歌449首を収録。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

きりのはな【桐の花】

北原白秋の第1歌集。1913年(大正2),東雲堂書店刊。おもに雑誌《スバル》《朱欒(ザンボア)》等に発表した1909年以来の短歌446首と,歌論6編を収め,伝統詩形にめざましい新風を吹き込んで,歌人白秋の名を不朽ならしめた歌集である。その新風は,フランス印象派風の繊細鋭敏な感覚,官能への陶酔頽唐味の濃い都会情調,異国情調,江戸趣味などがまじり合った〈悲哀時代のセンチメントの精(エツキス)〉から成るものであった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

きりのはな【桐の花】

歌集。北原白秋作。1913年(大正2)刊。日本の伝統的形式の短歌に、都会的・西洋的な近代的詩情を導入、新鮮な美しさを示す白秋の第一歌集。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

桐の花
きりのはな

北原白秋の第一歌集。1913年(大正2)1月東雲堂書店刊。1909年から12年にかけて発表された449首の短歌と6編の「小歌論」「詩文」からなる。序言では「この哀れなる抒情(じょじょう)歌集」「これわかき日のいとほしき夢のきれはし」と見なし、「私の詩が色彩の強い印象派の油絵ならば私の歌はその裏面にかすかに動いてゐるテレビン油のしめりであらねばならぬ。」(「桐の花とカステラ」)と『邪宗門』『思ひ出』の詩世界と『桐の花』の歌世界との関係を記している。散文は詩歌論風の要素を交えた「桐の花とカステラ」「昼の思」と清新な近代感覚を示す「植物園小品」「感覚の小函(こばこ)」。そして出獄後、人妻と牢獄に堕(お)ちた〈敗徳者〉の思いと烈(はげ)しい煩悶(はんもん)を書いた「白猫」「ふさぎの虫」からなる。「哀傷篇」は「白猫」「ふさぎの虫」の前に置かれ、「罪びとソフィーに贈る/『三八七』番」という俊子の愛称と自身の囚人番号による献辞を添え、勾留(こうりゅう)中の烈しい思いが切実な抒情のリズムとなっている。[阿毛久芳]
 時計の針(いち)とに来(きた)るときするどく君をおもひつめにき
『『日本近代文学大系28 北原白秋集』(1970・角川書店) ▽久保田淳監修『和歌文学大系29 桐の花/酒ほがひ』(1998・明治書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

桐の花の関連キーワード今井 福治郎スバル(昴)海桐・海桐花真道 黎明橋本 鶏二石森 延男北原 白秋松下 俊子五七の桐五三の桐桐の薹太閤桐旭日章五三桐五七桐導入勲章葵祭清明

今日のキーワード

OAR

2018年の平昌五輪に国家資格ではなく個人資格で参加したロシア国籍の選手のこと。「Olympic Athlete from Russia(ロシアからの五輪選手)」の略。14年ソチ五輪での組織的なドーピ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

桐の花の関連情報