桜湯(読み)サクラユ

デジタル大辞泉 「桜湯」の意味・読み・例文・類語

さくら‐ゆ【桜湯】

塩漬けにした桜の花に熱湯を注いだ飲み物。婚礼などのめでたい席で茶の代わりに用いる。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「桜湯」の意味・読み・例文・類語

さくら‐ゆ【桜湯】

  1. 〘 名詞 〙 塩漬けの桜の花を湯に入れた飲物。「茶を濁す」といって、茶を用いるのを忌む見合の席や婚礼の席などで用いることが多い。桜の湯。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「此身(おゐら)茶断だから桜湯(サクラユ)にして貰ひやせう」(出典人情本・春の若草(1830‐44)二)

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改訂新版 世界大百科事典 「桜湯」の意味・わかりやすい解説

桜湯 (さくらゆ)

サクラの花の塩漬を湯に入れて飲むもの。見合いや婚礼の席で茶のかわりに用いられるのは,〈お茶を濁す〉などと使われる茶を避けるためだという。《嬉遊笑覧》(1830序)に〈近ごろはじまった〉とする記載があり,明治初期の東京では繁華下町大通りの夏の夜店の中には,床几(しようぎ)に赤いケットをかけて並べた桜湯の店も見られ,麦湯甘酒香煎(こうせん)などもあきなっていたという。香煎に湯を注いで飲ませた〈煎物(せんじもの)売〉は職人歌合狂言に見えるが,そうした〈煎物売〉の商品の一つとして,すでに中国で行われていたランの花の塩漬などにヒントを得て考案されたものと思われる。
香煎
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「桜湯」の意味・わかりやすい解説

桜湯
さくらゆ

桜漬けを利用した飲み物。江戸後期にはその名前がみえる。サクラの花の塩漬けを1、2輪湯飲み茶碗(ぢゃわん)に入れ、熱湯を注ぎ、花が開いたところを飲む。塩味で、サクラの花の香りが高い。縁起物として、茶を忌む場合、茶のかわりに用いられる。とくに結婚式には欠かせない飲み物である。ほか吸い物の椀種(わんだね)、刺身のつま酢の物などにもその色香を利用する。

[河野友美]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「桜湯」の解説

さくらゆ【桜湯】

桜漬けに湯を注いだ飲み物。湯の中で花が開いて美しく、婚礼などの祝いの席では茶の代わりに用いる。

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