ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桜間金太郎」の意味・わかりやすい解説
桜間金太郎(2世)
さくらまきんたろう[にせい]
[没]1991.3.17. 東京,文京
金春流,シテ方の能楽師。本名,龍馬。桜間弓川(初世桜間金太郎)の長男。父に師事。1922年に『邯鄲』の子方で初舞台。1930年『岩船』で初シテ。1940年『道成寺』を初演。太平洋戦争で兵役につくが,1947年の復員後は京都へ移り,10年間暮らした。1951年京都薪能で豊嶋弥左衛門(金剛流)と『土蜘(土蜘蛛)』に共演,ツレ(頼光)を演ずる。1955年矢代静一作・武智鉄二演出の放送劇『絵姿女房』に出演。1970年 2世桜間金太郎を襲名。1973年『卒都婆小町』を初演。1975年歌舞伎座で武智鉄二構成・6世中村歌右衛門主演の『伝授山姥』に謡で出演し話題となる。1977年ベンジャミン・ブリテン作・武智鉄二演出のオペラ『カリュー・リバー』で狂女を舞う。『自然居士』のシテで,1984年度芸術祭賞優秀賞。桜間会を主宰。著書に『能楽三代』(1987)がある。芸事養子に桜間辰之がいる。(→能)
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