日本歴史地名大系 「天神原遺跡」の解説
天神原遺跡
てんじんばらいせき
天神原遺跡
てんじんばらいせき
天神原遺跡
てんじんばらいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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福島県双葉郡楢葉町大字北田字上ノ原に所在する弥生時代中期末葉に形成された集団墓跡。木戸川河口の標高40m内外の段丘上に位置し,東側は太平洋に接している。1979年に天神岬スポーツ公園建設事業に伴う調査で,土壙墓47基,土器棺墓24基が3群に分かれて検出された。土壙墓は長軸2m内外,短軸70cm程度の長楕円形を呈し,頭枕方向は北北東に集中する。このうち2基から小型勾玉84個と管玉1個が出土したが,この勾玉数は東日本随一のものである。成人を埋葬した土壙墓に対し,胎児を含めた乳幼児を入れた土器棺墓は合せ蓋式の2個体構成3種と1個体構成2種から成り立ち,いわゆる合せ口になる例が全体の39%を占める。器種別で示せば,壺63%,甕37%と壺利用の比率が高い。土器棺に表出された文様は渦文,山形文,縦線文,格子文があり,施文具も束線具を多用。〈天神原式土器〉の標式遺跡で,史跡公園になっている。
執筆者:馬目 順一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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