極書(読み)キワメガキ

デジタル大辞泉 「極書」の意味・読み・例文・類語

きわめ‐がき〔きはめ‐〕【極(め)書(き)】

刀剣・書画・古道具などの鑑定書箱書き極め札巻末奥書きなど、いろいろな形式がある。

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精選版 日本国語大辞典 「極書」の意味・読み・例文・類語

きわめ‐がき きはめ‥【極書】

歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)三立返し「そりゃ正宗鑑定(キハメガキ)

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改訂新版 世界大百科事典 「極書」の意味・わかりやすい解説

極書 (きわめがき)

書画骨董等の鑑定書。古筆に関するものが多く,古文書ではこれに準じて真偽鑑定に使用された。極書そのものに権威があるとの考えが強い。しかし学術的には必ずしも信頼はできない。〈極め〉とは鑑定の意であり,職業的鑑定家である古筆家が短冊形の小紙片(7×1.5cm)に〈熊野懐紙 後鳥羽院 印〉などと書く。これを極札(きわめふだ)という。16世紀の桃山文化華やかな時代に初代古筆家了佐が出現し,豊臣秀吉より〈古筆〉姓を賜り,印文〈琴山〉の印を使用した(古筆了佐)。この古筆家の使う印を極印(きわめいん)という。2代了栄によって極印は琴山印(方印)を表印,栄字印(小判形)を裏印と制定して骨董界に君臨した。室町時代の鑑定書は外題(げだい)と称し,それには画題筆者の雅号,鑑定者の署名を記して折紙(おりがみ)の様式をとったので,言葉として物の保証を〈折紙付き〉と称したほどである。近世の古筆家は営業として鑑定を行ったもので,その鑑定の学術的信頼性はきわめて低い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「極書」の意味・わかりやすい解説

極書
きわめがき

美術工芸品,古文書,刀剣,小道具などの鑑定の証明書。折紙,極札 (きわめふだ) の形式がおもなもので,作品に添付する。奥書も極書の一種

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