特定の標的に対して行われるサイバー攻撃。スピア型攻撃ともいう。企業や組織、個人、特定のサーバーなどをねらい、企業秘密や知的財産、国家機密、個人情報などの重要情報を不正入手し、それらのデータを破壊する行為をさす。無差別なサイバー攻撃や迷惑メールとは異なり、特定の対象に明確な目的をもって行われる。ターゲットの関連情報をあらかじめ調べたうえで実行されることが多い。
標的型攻撃のような意識的な攻撃には、従来型のセキュリティ対策は有効に機能せず、組織やシステムの奥まで入り込まれる可能性が高いため、より一層の対策と注意が必要である。
手口としては、実在の人物や企業になりすました偽装メール(標的型メール、標的型攻撃メール)を送り、そこに埋め込む、あるいは添付してあるコンピュータウイルスを対象のコンピュータに感染させる、あるいはそこに記述されている改竄(かいざん)されたウェブサイトに誘導することでアクセス情報などを入手するというのが一般的である。その情報を悪用してネットワークに入り込み、目的を達成しようとする。
メールだけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などのソーシャルメディアを含めたさまざまな手段を使って繰り返し行われる攻撃を、とくにAPT攻撃(advanced persistent threat attacks)といい、国家レベルでのスパイ行為や大規模なテロ行為に使われることもあり問題となっている。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、このような執拗(しつよう)なサイバー攻撃を「新しいタイプの攻撃」として注意を呼びかけている。
[編集部]
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新