知恵蔵
「滞納処分」の解説
滞納処分
税務署などの課税庁は、納期限までに租税が納付されない時は、原則として督促をし、次に滞納処分を行う。滞納処分は、差し押さえ、換価、配当の3段階からなる。国税に関する滞納処分は国税徴収法に規定され、地方税や公課(手数料など、租税以外の公の金銭負担)の滞納処分についてもこれに依拠している。国税徴収法は、滞納者に一定の要件がある時には滞納処分の執行停止をするとしている(153条)。その要件は、(1)滞納処分を執行することができる財産がない時、(2)滞納処分をすることによって生活を著しく窮迫させる恐れがある時、(3)その所在及び滞納処分を執行できる財産が共に不明である時。滞納処分の執行停止は納税の緩和制度であるが、他の緩和制度とは異なり、執行停止が3年間継続した時は納税義務が消滅する。
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滞納処分【たいのうしょぶん】
税の滞納があった場合,納付の督促があってなお完納されないとき,税務官庁の行う強制徴収手続。国税徴収法に基づくが,税以外の公法上の金銭債権にも準用。滞納者の財産の差押えに始まるが,差押え中になお完納されないときは,差押え財産は公売等により換価され,換価代金は滞納処分費・税金にあてられる。
→関連項目国税徴収法
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滞納処分
税務官公署は、納税者が期限までに納税をしないと督促をする。督促しても納付がない時は、滞納処分(差押え、換価、配当)に進む。処分により滞納者の生活を著しく窮迫させる恐れなど一定の事由がある時には、滞納処分を停止して、納税義務を消滅させる(滞納処分の停止)。
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たいのう‐しょぶん タイナフ‥【滞納処分】
〘名〙 法律で、租税が滞納された場合に、税務行政庁が滞納者の財産を差し押さえたり、差し押さえ財産を換価したりすること。〔国税徴収法(明治三〇年)(1897)〕
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デジタル大辞泉
「滞納処分」の意味・読み・例文・類語
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たいのうしょぶん【滞納処分】
租税手続は,課税標準および税額の確定に関する租税確定手続と,租税の納付および徴収に関する租税徴収手続とに分けられる。このうち,租税徴収手続は,通常,租税の納付によって終了するが,納期限までに納付がなされない場合は,原則として督促がなされ,それでも租税が完納されない場合には,国または地方公共団体は,租税債権の強制的実現を図ることができる。これを,滞納処分(ないし,強制徴収)という。国税の滞納処分に関する一般法として国税徴収法があるが,関税,地方税の滞納処分は国税滞納処分の例によることとされており(関税法11条,地方税法68条6項等),また,他の公課についても国税滞納処分の例によるとされている場合がある。
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世界大百科事典内の滞納処分の言及
【強制徴収】より
…したがって,公法上の金銭債権の強制徴収について,とくに法律の規定がないときには,私法上の債権と同様,民事訴訟手続を経たうえで,司法機関に強制執行を求めることになる。国税徴収法(1959公布)で定める滞納処分は,強制徴収の具体的手段である。同法上の滞納処分は,本来,関税・とん税・特別とん税を除く国税債権の強制徴収手続として定められたが,関税等および地方税ならびにその他の公法上の金銭債権についてもこの手続によるべきであると規定されている例が多く(関税法11条,地方税法68条6項,72条の68-6項),今では公法上の金銭債権一般に関する強制徴収手段となっている。…
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