橋本平八(読み)ハシモトヘイハチ

デジタル大辞泉 「橋本平八」の意味・読み・例文・類語

はしもと‐へいはち【橋本平八】

[1897~1935]彫刻家三重の生まれ。日本美術院同人。佐藤朝山師事木彫を得意とし、独創的な作品制作代表作に「裸形少年像」「牛」「花園に遊ぶ天女」など。

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20世紀日本人名事典 「橋本平八」の解説

橋本 平八
ハシモト ヘイハチ

大正・昭和期の彫刻



生年
明治30(1897)年10月17日

没年
昭和10(1935)年11月1日

出生地
三重県伊勢市

経歴
明治45年宇治山田市植物生態学、園芸学を学び、大正4年伊勢に戻り、三宅正直、亀田杢介に彫刻を学ぶ。8年上京し、内閣印刷局勤務。9年佐藤朝山の内弟子となり、11年第9回院展に「猫」を初出品、以来院展で作品を発表。昭和2年日本美術院同人となる。日本の木彫の伝統と西欧塑像特質とを融合させながら、当時の木彫界に新風を送り込んだ。代表作に「裸形少年像」「花園に遊ぶ天女」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「橋本平八」の意味・わかりやすい解説

橋本平八
はしもとへいはち
(1897―1935)

彫刻家。三重県生まれ。初め植物生態学や果樹園芸学を修め、1915年(大正4)宇治山田市で三宅正直について彫刻技術を学ぶ。18年に上京、印刷局に勤めたが、20年に佐藤朝山(ちょうざん)(玄々(げんげん))の内弟子となって木彫を学ぶ。以来、院展に作品を発表、『猫』(1924)などで注目され、27年(昭和2)日本美術院同人に推挙された。東洋的な想念に基づく独特の形態感をもつ木彫を制作し、オブジェ的な思考を造形化するなど、大正末から昭和初期にかけて異色ある木彫家として活躍した。おもな作品に『花園に遊ぶ天女』『裸形少年像』『牛』など、遺稿に『純粋彫刻論』がある。

三木多聞

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「橋本平八」の意味・わかりやすい解説

橋本平八
はしもとへいはち

[生]1897.10.17. 三重,四郷
[没]1935.11.1. 伊勢
彫刻家。 1915年三宅正直について彫刻を学ぶ。 19年上京,20年佐藤朝山の内弟子となる。 22年第9回再興院展に『猫』が初入選,同院研究会員となる。 26年生地の朝熊村に帰郷して制作。 27年日本美術院同人,35年帝展無鑑査。作品は厳格な反面,豪放な性格をよく反映している。主要作品『花園に遊ぶ天女』 (1930,東京芸術大学) ,『達磨』 (34,東京国立近代美術館) ,『牛』など。

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百科事典マイペディア 「橋本平八」の意味・わかりやすい解説

橋本平八【はしもとへいはち】

彫刻家。三重県生れ。三宅正直に師事。1919年上京,内閣印刷局に勤務。1920年佐藤朝山の内弟子となる。1922年再興院展出品。円空仏に感銘を受け,鉈の跡を残した静楚な木彫を制作した。代表作《裸形の少年像》《或る日の少女》。詩人北園克衛は弟。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橋本平八」の解説

橋本平八 はしもと-へいはち

1897-1935 大正-昭和時代前期の彫刻家。
明治30年10月17日生まれ。詩人北園克衛の兄。佐藤朝山に木彫をまなぶ。昭和2年院展に「裸形の少年像」を出品,日本美術院同人となった。昭和10年11月1日死去。39歳。三重県出身。作品はほかに「花園に遊ぶ天女」。著作に「純粋彫刻論」。

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367日誕生日大事典 「橋本平八」の解説

橋本 平八 (はしもと へいはち)

生年月日:1897年10月17日
大正時代;昭和時代の彫刻家
1935年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の橋本平八の言及

【明治・大正時代美術】より

…また1919年には二科会が,晩年のロダンの助手をつとめた藤川勇造を迎えて彫刻部を創設し,これに渡辺義知らが加わり,海外からもザツキン,アルキペンコらの出品が見られた。 木彫では,官設展に沢田晴広(政広)(せいこう)(1894‐1988),三木宗策(1891‐1945),長谷川栄策(1890‐1944)らの新人が台頭し,院展では佐藤朝山に師事した橋本平八(1897‐1935)と平櫛田中が傑出している。岡倉天心の伝統的木彫復興の精神をくんだ平櫛田中は,《転生》(1920)のように天平や鎌倉の仏像彫刻を消化した傑作をつくった。…

※「橋本平八」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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