旧中国における官署で,近代の王立ないし国立天文台に相当する。天文現象を観測して暦法を推算する職務を管掌した。秦,漢の時代以来,太史令が天象の観測,暦法の推算およびその改革などをつかさどった。前漢の司馬遷や後漢の張衡,元の郭守敬らはいずれも太史令を歴任した。唐代には,太史局が設置され,のちに司天台と改められ,秘書省に属した。宋,元の時代は司天監が設けられ,太史局や太史院と併置された。明代にははじめ太史監,太史院と呼ばれた部局が1370年(洪武3)から欽天監に改められた。長官は監正といい,副長官は監副といい,その他の属官があった。欽天監は,また天文,漏刻,回回,暦の4科に分かれ,暦書の編纂をその任務とするほか,天文観測,暦日の吉凶,時間の保持などを行った。清朝も同じ官名を踏襲したが,アダム・シャール(湯若望),フェルビースト(南懐仁),ケーグラー(戴進賢)らイエズス会宣教師が監正に選ばれ,欽天監には満州人や西洋人が登用されたが,1826年(道光6)西洋人の任用は廃止された。
執筆者:橋本 敬造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
明清時代に天文などをつかさどった機関。長官を監正(かんせい)という。天文観測,改暦,新暦作成,報時,吉凶判断その他をつかさどった。当時西洋知識を紹介したイエズス会宣教師も任用された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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