エレトリア(読み)えれとりあ(英語表記)Eretria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレトリア」の意味・わかりやすい解説

エレトリア
Eretria

ハルキスと並ぶエウボイア (エビア島 ) の古代ギリシアの主要都市。現ネアプサラ。植民に活動し,前 750年頃カルキスとともに西方における最初のギリシア人植民地クマエを建設,その後独力でカルキディケやマケドニア植民市 (アポイキア ) をつくった。イオニア反乱の際,救援船5隻を送ったため (前 499~498) ,アケメネス朝ペルシアの王ダレイオス1世によって報復を受け,都市は破壊され,市民は連行された (前 490) 。その後まもなく復興したが,以前の繁栄は失われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エレトリア」の意味・わかりやすい解説

エレトリア
えれとりあ
Eretria

ギリシア中部、エウボイア島にあった古代都市。エウボイア地方最古の都市の一つ。初期には海運国として栄え、一時アンドロス、テノス、ケオスの島々を従えた。その一方で、紀元前8世紀末レラント沃地(よくち)をめぐって隣国有力都市カルキスと争いを繰り返した。その後イオニア反乱(前499)に加担したためペルシアの報復を受け、町は破壊された。再建されてからすぐに昔日の勢いを取り戻したが、前4世紀には僭主(せんしゅ)の支配するところとなり、マケドニアに従属した。第二次マケドニア戦争(前200~前197)後、ローマによって自由市を宣せられた。

[古川堅治]

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