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死者の書 ししゃのしょ Book of the Dead

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

死者の書
ししゃのしょ
Book of the Dead

新王国時代におけるエジプト人の来世観を表わすパピルス文書ヒエログリフ (聖刻文字) によって書かれ,単色あるいは多色の挿絵が添えられている。大英博物館蔵のスネフルの『死者の書』にその思想が最もよく表われている。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

ししゃのしょ【死者の書】

The Book of the Dead》古代エジプトで副葬された宗教書。神への賛歌や、冥福・復活のための教訓・呪文をパピルスなどに書いたもの。新王国時代(前16世紀半ば~前11世紀後半)に成立・発達。
折口信夫中編小説。昭和14年(1939)「日本評論」誌に発表。大幅な書き換えを経て、昭和18年(1943)刊行。著者による古代研究の成果を小説により表現したもの。

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百科事典マイペディアの解説

死者の書【ししゃのしょ】

古代エジプトの新王国時代(前16世紀)以降に作られた葬礼文書。英語でBook of the Dead。死者の魂がオシリス裁きの庭で行うべきこと,冥界の生活で注意すべきことなどが祈祷文,呪文(じゆもん)の形でパピルスに記されている。

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とっさの日本語便利帳の解説

死者の書

古代エジプト人が、昇天してオシリス神になるため、パピルスに死者の生前の行状などを呪文として記して棺に収めた葬礼文書。中王国時代以降、ファラオ(王)以外の者もオシリス神になれるとされ、一般化した。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」
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世界大百科事典 第2版の解説

ししゃのしょ【死者の書 Book of the Dead】

古代エジプトにおいて死者の復活と永生の獲得を助ける葬礼文書の一つで,新王国時代(前16世紀)以降パピルスに記されて副葬されたものを指す。古王国時代末期の王のピラミッドの墓室壁面に刻まれた〈ピラミッド・テキスト〉,中王国時代の棺柩に記された〈コフィン・テキストCoffin texts(棺柩文)〉に続くもので,エジプトがキリスト教化する後4世紀まで高官貴族を中心に約2000年にわたって用いられた。復活を助け,彼岸において至福の生活を送るために必要な長短さまざまの呪文および祈禱文からなる。

ししゃのしょ【死者の書】

折口信夫(釈迢空(しやくちようくう))の小説。1939年,《日本評論》に連載,43年青磁社刊,47年角川書店より再刊。初出と単行本とのあいだには大きな異同がある。藤原南家の郎女(いらつめ)が,二上山の背景に見た神々しい姿にあこがれて当麻寺(たいまでら)に至り,蓮の糸で織りあげた曼陀羅(まんだら)にその神々しい人の像を描く。物語は古い日祀り(ひまつり)の発想の上にかさねられる仏教の来迎信仰の発生について考察した研究の創作化としても読めるもので,単行本では〈山越し阿弥陀像の画因〉という論文を付している。

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大辞林 第三版の解説

ししゃのしょ【死者の書】

〔Book of the Dead〕 古代エジプトで死者を葬るときに副葬された文書。死後の平安と復活を願って呪文や祈禱文きとうぶんがパピルスに書かれている。紀元前一六~一四世紀の第十八王朝の頃成立。
小説。折口信夫作。1943年(昭和18)刊。当麻寺の中将姫伝説に取材、古代人の生活や心情を浪漫的憧憬の下に描く詩的小説。

出典|三省堂
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世界大百科事典内の死者の書の言及

【アヌビス】より

…イシスとネフテュスの造った包帯で死せるオシリスをミイラとし,かつラーの命によりオシリスを蘇生せしめたことから〈ミイラ造りの家の主〉ともいわれた。《死者の書》ではオシリスの法廷で死者の心臓を計量し,葬儀に際して墓の入口で死者のミイラを受け取る姿が描かれ,151章ではミイラの横たわる棺架のわきに立ち,保護するしぐさで手を差しのべ,〈我はオシリスを保護せんために来たれり〉と言ったさまが描かれている。道の開拓者たる金狼神ウプウアットUp‐uatと対をなし夏至の擬人化であるほか,医学の守護神としても知られ,信仰の中心地はレトポリスLetopolisで,ヘリオポリスのアトゥム・ラー神殿,サイスのネイト神殿と共にレトポリスのアヌビス神殿は下エジプトにおける医療の中心地であった。…

【死】より

…死後の霊の旅と再生についての,もっとも体系的な思想をもっていたのは,古代エジプト人やチベット人であるが,それはシャマニズムと宗教(仏教,ヒンドゥー教,イスラム教,ジャイナ教,キリスト教)のあるところに普遍的に存在するものである。しかし,墓や〈死者の書〉に描かれた死者や死の支配者および彼岸のイメージは,造形的に独立した〈死〉の図像としてはとらえがたい。エジプトの壁画では,死者は冥界の神オシリスか太陽神アメン・ラーの支配下にあって,自分の生前の行為によって善悪の審判を受け,最終的には魂が祝福された永生の状態に入ることを祈念するプロセスが描かれている。…

【終末観】より

…前者は一般に魂の他界遍歴として知られるが,それを語る神話や伝承には上昇‐飛翔のモティーフ(天国)と下降‐墜落のモティーフ(冥界)が交替してあらわれ,生前の悪行・善行によってそれ以後の運命が定められるという形をとる。そのような観念や表象はギリシア,インド,中国などの古代神話やアフリカの諸部族,アメリカ・インディアンやメラネシア,ポリネシア地域の原住民に見いだされるが,それが最も典型的な形でまとめられたのが古代エジプトとチベットにおいて作られた〈死者の書〉である。そこでは死後の世界が階層的に区分されており,再生のための条件が神話的なビジョンのなかで語られている。…

【パピルス文書】より

…後代には同形のパピルス紙を重ねてとじた,今日の本の形式のものも作られた。 エジプト語文書には〈トリノ・パピルス〉(トリノ博物館所蔵)のような王名表,《ホルスとセトの争い》や《ウェンアメン旅行記》のような文学作品のほか,〈死者の書〉その他の宗教文書,医学書,書簡,各種契約書,碑銘の写しなどがあり,コプト語のものには,聖書のギリシア語からの翻訳やシェヌーテの宗教論などキリスト教文書が多い。量的に最も多いのはプトレマイオス朝時代に記されたものを中心とするギリシア語文書で,これには哲学書,史書,文学作品,法令,裁判の記録,税務関係書,結婚契約書,遺言書などが含まれ,その中にはギリシア史研究に新しい光を与えた,新発見のアリストテレスの《アテナイ人の国制》のようなものもある。…

【臨終】より

…この危機的な時期をめぐって,死の受入れと死のみとりに関するさまざまな慣習と文化が生みだされた。死を迎えることの意味を説いた古い文献としては,エジプトやチベットで作られた〈死者の書〉が知られているが,それはかならずしも臨終時の問題に焦点を合わせたものではない。これに対して西欧では,中世末に〈アルス・モリエンディ(往生術)〉として知られる文献が書かれ,臨終を迎える者のための心得が説かれた。…

【死者の書】より

…復活を助け,彼岸において至福の生活を送るために必要な長短さまざまの呪文および祈禱文からなる。しかし〈死者の書〉という呼称は近代のもので,〈定本〉があるわけではなく,使用される呪文はパピルスごとに異同がある。現在使用される章名は,1842年ドイツのエジプト学者レプシウスC.R.Lepsiusがトリノ博物館所蔵のプトレマイオス朝のパピルスに基づいて集成したものによっており,192章からなる。…

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