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毘曇宗 びどんしゅうPi-tan-zong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

毘曇宗
びどんしゅう
Pi-tan-zong

中国仏教の十三宗の一つ。薩婆多宗 (さっぱたしゅう) ,数家 (しゅけ) ともいう。インドの説一切有部に属する学者ダルマシュレーシュティン Dharmaśreṣṭhin (法勝) の『阿毘曇心論』などの旧訳の論書 (阿毘曇) を講究する学派。僧伽提婆,道安,東晋の慧遠たちが長安,建康などに広め,華北を中心に流行。唐の玄奘が『大毘婆沙論』『倶舎論』などを新訳して以来衰亡。日本では奈良時代倶舎宗を毘曇宗と呼ぶこともある。

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世界大百科事典 第2版の解説

びどんしゅう【毘曇宗 Pí tán zōng】

中国仏教十三宗の一つ。毘曇とは阿毘曇の略称で,阿毘曇abhi‐dharmaは対法と直訳される論のこと。この宗派説一切有部という学派の論研究によって成立していて,法勝の《阿毘曇心論》と法救の《雑阿毘曇心論》を研究の中心とし,東晋の道安慧遠(えおん)らによって5世紀に成立した。しかし,真諦(しんだい)や玄奘(げんじよう)が《俱舎論》などの主要論蔵を漢訳し研究して以後俱舎宗がおこり,毘曇宗はその中に解消された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

毘曇宗
びどんしゅう

中国仏教の宗派。中国南北朝時代に、インド仏教の一部派である説一切有部(せついっさいうぶ)(サルバースティバーディンSarvstivdin)の諸論書をおもに用いて部派仏教の研究・講義を行った一派をいう。とくに法勝(ほっしょう)の著した『阿毘曇心論(あびどんしんろん)』や法救(ほつぐ)の著した『雑(ぞう)阿毘曇心論』などが用いられた。その担い手はこれら諸論書を漢訳したインド人の学僧とその弟子の中国僧たちである。毘曇とは阿毘曇の省略語であり、サンスクリット語アビダルマAbhidharma、パーリ語アビダンマAbhidhammaの音訳の旧訳(くやく)であるから(唐の玄奘(げんじょう)以後の新訳ではおもに阿毘達磨(あびだつま)と音訳される)、毘曇宗は旧訳時代のアビダルマ論書研究者の一群であり、仏教基礎学として流行した。しかし玄奘の新訳アビダルマ論書が現れてからは、その平明な訳風のために旧訳が用いられることが少なくなり、新訳に基づく倶舎(くしゃ)宗、法相(ほっそう)宗にとってかわられ、勢力をまったく失った。[加藤純章]

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