水府(読み)スイフ

デジタル大辞泉 「水府」の意味・読み・例文・類語

すい‐ふ【水府】

水戸みと異称
海底にあって水神の住むという都。
「いそぎ―へ使いを立てて、竜王を呼び寄せよ」〈根無草

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精選版 日本国語大辞典 「水府」の意味・読み・例文・類語

すい‐ふ【水府】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 水神が住んでいるという想像上の都。水中の都。
    1. [初出の実例]「幽蹤似桃源客、雅調将水府仙」(出典:菅家文草(900頃)六・春日行幸神泉苑、同賦花間理管絃)
    2. 「水辺の事なれば、いそぎ水府(スイフ)へ使を立、龍王を呼寄よ」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)
    3. [その他の文献]〔木華‐海賦〕
  2. [ 2 ] 水戸(みと)あるいは水戸藩の異称。
    1. [初出の実例]「水府の儒士安藤為章命によりて数往来し説をうけ事をとふ」(出典:摂津名所図会大成(1854‐60頃)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水府」の意味・わかりやすい解説

水府
すいふ

茨城県北部久慈郡(くじぐん)にあった旧村名(水府村(むら))。現在は常陸太田市(ひたちおおたし)の中西部を占める一地区。1955年(昭和30)染和(そめわ)、山田の2村が合併して水府村となり、1956年天下野(けがの)、高倉2村と合併。2004年(平成16)金砂郷町(かなさごうまち)、里美村(さとみむら)とともに常陸太田市に編入。名称は水府煙草(たばこ)の産地であったことによる。旧村域は、久慈山地にあり、中央の断層谷を北から南に貫流する山田川に沿って走る街道(一部国道461号)沿いに開け、林業畜産のほかタバコ、コンニャクソバなどを産する。東金砂(ひがしかなさ)神社の田楽(でんがく)舞(金砂田楽)は国の選択無形民俗文化財であり、とくに72年ごとに行われる金砂大田楽(磯出大田楽)は有名。1978年(昭和53)に竜神(りゅうじん)峡にダムが完成した。竜神峡奥久慈県立自然公園域。

[櫻井明俊]

『『水府村史』(1971・水府村)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水府」の意味・わかりやすい解説

水府
すいふ

茨城県北部,常陸太田市中部の旧村域。久慈山地にある。 1955年染和田村と山田村が合体して水府村が成立。 1956年天下野村,高倉村の2村と合体。 2004年常陸太田市に編入。米作を中心にソバ,コンニャクなどを産する兼業農家が多い。かつては水府タバコの特産地として知られた。北部は奥久慈県立自然公園に属し,竜神ダムに 1994年竜神大吊橋が完成した。

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改訂新版 世界大百科事典 「水府」の意味・わかりやすい解説

水府 (すいふ)

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普及版 字通 「水府」の読み・字形・画数・意味

【水府】すいふ

水神の宮。

字通「水」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の水府の言及

【川】より

…あるいはまた《洛神賦図》に描かれる洛水の神の宓妃(ふくひ),《楚辞》にうたわれる湘水の神の湘君と湘夫人などの女神たち。道教では〈水官〉とか〈水府〉とよぶ神々の世界を川のなかに想定して〈天官〉〈地官〉とともに三官と称し,五斗米道教団では水官の神々に文書をささげて病気の平癒を祈った。仙経の伝授の際にも,黄金を川に投じて神々と盟約をとりかわす儀式が行われた。…

※「水府」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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