コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

沈降反応 ちんこうはんのうprecipitation

翻訳|precipitation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

沈降反応
ちんこうはんのう
precipitation

可溶性の抗原とこれに対応する抗体とが特異的に反応して不溶性の沈降物を生じる免疫反応で,その抗原を沈降原,抗体を沈降素と呼ぶ。本質的には凝集反応と異なるものではなく,抗原粒子の大きさの相違による反応の外観の差と考えられている。沈降反応はその鋭敏な特異性から,次のように広範囲にわたって応用されている。 (1) 細菌学領域 (レンサ球菌の分類や肺炎球菌の型別など) ,(2) 臨床医学領域 (血液疾患などでの蛋白質の変動,ある種の感染症の診断など) ,(3) 法医学領域 (血痕の鑑別,血液型の判定など) ,(4) 衛生学領域 (食肉,加工肉の鑑別など) ,(5) 生物学領域 (動物の近縁関係の判定など) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

沈降反応【ちんこうはんのう】

抗原抗体反応の一種。抗原溶液と抗体溶液を適当な比率で混ぜた時,沈殿を生ずる現象。この抗原を沈降原,抗体を沈降素という。抗体(2価)が抗原(多価)の橋渡しとなって大きな三次元的結合物をつくり沈殿する。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

ちんこうはんのう【沈降反応】

抗原抗体反応の一。可溶性の抗原と抗体とを反応させると、肉眼で見えるような沈殿物を生じる反応。抗原や抗体の定量に利用。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の沈降反応の言及

【抗体】より

…タンパク質,ウイルス,細菌その他,天然の抗原には一般に抗原決定基が複数存在し,抗体分子にも結合部位が2個(IgM抗体は10個)あるので,抗原・抗体複合体はふつう,抗原と抗体の多分子集合体である。そのため,可溶性の抗原でも抗体と複合体をつくることによって沈殿し(沈降反応という),あるいは細菌,赤血球などの浮遊物が凝集する現象(凝集反応)がみられる。抗原・抗体複合体中では,数多くの抗体分子が抗原との結合によって集合しており,このような複合体が細胞を刺激するのは,標的となる細胞の細胞膜表面にFcレセプターとよばれる受容体が多数存在し,複合体中の複数の抗体分子のFc部分が複数の受容体と多点結合をして受容体を架橋するためである。…

【免疫】より


[新しい概念の確立]
 こうして,免疫の重要な二つの側面,抗体による体液性免疫と細胞が直接働く細胞性免疫についての研究が進展し,それぞれについて重要な発見が相次いだ。抗体については,それが抗原と特異的に反応できるタンパク質で,しばしば血清中の他の一連の酵素系(補体)を活性化して,さまざまな生体内反応を起こすこと,試験管内では抗原と結合して沈殿を起こしたり(沈降反応),もし抗原が粒子状抗原であればそれの凝集を起こしたりする(凝集反応),いわゆる〈抗原抗体反応〉を起こすことがわかった。補体を活性化すれば,抗原の溶解や破壊,白血球による貪食を誘導する。…

※「沈降反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

沈降反応の関連キーワードオーストラリア抗原梅毒血清反応補体結合反応免疫電気泳動馬伝染性貧血村田 正太免疫拡散法トキソイド梅毒反応ザックス競合阻害沈殿物溶連菌抗毒素可溶性性病血沈梅毒

今日のキーワード

だまし面接

企業が面談や懇談会と称して就職活動中の学生を呼び出し、実質的には学生を選考する偽装面接のこと。2016年卒業の大学生に対する選考活動の開始時期を、従来の4月1日から8月1日以降へと後ろ倒しする主旨の「...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android